2015年12月18日金曜日

バナナ林での作業

バナナはいたって日常的な果物ですけど、
バナナが樹木で実っている状態というものを日本で見ることはまずありません。
というかぼくは見たことありません。
きっと九州や沖縄に行けばあるんでしょうけど、
やっぱりバナナは南国でないとうまく作れないんでしょう。

もちろんハワイではバナナが実っている場所をたくさん見ることができます。
オアフではどうか知りませんけど、
ハワイ島のコナ地区では家の庭に大きな葉っぱに
バナナの房を垂らした木を見るのは珍しくありません。

バナナの他には巨大なアボカドの木、
つるに這って実るリリコイに、
パパイヤとマンゴー、
そして果実なのに芋の味がするパンの実。

これらの果物は年中実っているので、
庭に木がある人は朝落ちていればそれを拾い、
熟しているものがぶら下がっていればもいで、
毎日新鮮なフルーツが食べきれないほどテーブルに並びます。

ぼくはこのコナ地区で一週間農業研修のために滞在して、
主にバナナの世話をしていました。
バナナ林の若い木を育てるために鬱蒼とした古い木を切り倒し、
切った木が栄養となって土に還りやすくしてやるために粉砕する作業を行いました。

何が面白いかというと、
バナナの木は太いものでも電柱ぐらいなものですけど、
その幹が何と簡単に切り倒せるか。
ノコギリの刃を当てて引くとサク、サク、サクという音がして、
発泡スチロールを切るように簡単に切れるのです。

そしてこのバナナの木のかわいいところが、
木自体がバナナの実のようなのです。
木の切り口も実と似ていれば、
樹皮がめくれると太いバナナそのものといった中身が現れます。
さらに時間が経つとこの切り口が黒ずんでいくのも実と同じです。

バナナの木は水をふんだんに蓄える性質を持っていて、
ノコギリで切込みを入れるとピューと水が吹き出るほどです。
この切り倒した木をさらに木っ端にするために、
日本から運んでいったワラ切りという道具を使いました。

ワラ切りはギロチンのようなもので、
硬いものでも簡単にスライスできる恐ろしい処刑道具です。
よく日本から運び込めたなと思います。
これでバナナの木を10センチほどにスライスしていきます。
一本の木を切り終わる頃には吹き出てくる水分で手袋がびっしょり濡れます。
ちなみにこの水を舐めてみましたけど無味無臭で、
バナナの味はしませんでした。

バナナはまだ青いうちに収穫して、
黄色く熟れるまで吊るしておきます。
品種はアップルバナナというもので、
日本でよく売っているものよりも半分ほどのサイズで、
アップルというだけに軽い酸味と、
りんごのような香りがあって美味しいです。

昨日コナから日本に帰ってきましたけど、
朝、空港に向かう時も房から二本ちぎって朝食にしました。





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