2013年4月30日火曜日

ピンポン大会

ゴールデンウィーク企画〈海の家〉4日目の今日は、
いちばん問い合わせも多かった卓球大会の日です。
天気は怪しいですけど、
ステージであるウッドデッキは屋根、壁有りなので、
よほどひどくならないかぎり試合は決行します。

上は70代、下は小学生と、
かなり年齢差の幅広い戦いになりそうです。
当日は会場での参加も受け付けているので、
出ようか迷っている人はまずは見に来てください。

僕は卓球よりも、
ピンポンダッシュ派でした。
これまでのレコードは18連打です。
そのときは同級生の家でした。
ピピピピピピピピピピピピピピと鳴って、
18回目のチャイムを押した時そこの父親が出てきて、
コラー!とピーンポーンが合わさって、
コラーンポーン!となりました。

2013年4月29日月曜日

今朝の畑

毎朝畑から届く野菜を、
どうやってカフェの方でアピールしてくか、
ということを長い間みんなで話し合ってます。

あんまりアピールして、
押し付けがましくなるのはいやです。
桐野夏生の『東京島』で
「俺が俺がの我を捨てて、おかげおかげの下で生きよ」
と言っていた男は〈オラガ〉というあだ名を付けられて
バカにされていました。
どれだけアピールの内容が偉かろうがすごかろうが、
うるさいだけと感じることはあります。

とはいっても、
アピールも無くて自己主張も無いと、
今度は毒にも薬にもならない。

「優しいけど中身がない」風の、
人の記憶に残らないものになってしまう。
あるいは、オーシャンは失敗も色々するので、
記憶に残らない方がいい場合もある。
嫌だったことは忘れてください、
良いことだけ覚えててください。

ともかく、畑の野菜はオーシャンの生命線なので、
これは全力でアピールしてもいい部分でしょう。
そこで、畑チームのイサムシくんが考えてくれました。

タイトルは〈今朝の畑〉です。
玄関を入ってすぐ左手の、台の上に置かれてます
大きめのお皿にその日収穫できた野菜が盛り付けてある。
しなびないようにボウルに氷を入れて、
その上に載せた野菜皿に霧吹きで水をかけておく。
ランチ時間中ぐらいならみずみずしいまま、
アピールできます。

昨日並べた野菜は、
サニーレタス、
ズッキーニ、
エンダイブ、
パクチー、
パセリ、
フェンネル。
緑ずくめな春です。

これはイサムシくんがいないと
できないような空間デザインです。
オーシャンはそういう、
誰かがいないとできないことが多いので、
できたりできなかったりすることも、
また多い。

2013年4月28日日曜日

デラックス味見

昨日からオープンした海の家では、
オーシャンの人気メニューである
「トマトココナッツカレー」がなんと、
500円で食べれます。

レモングラスやコリアンダーにクミンなど、
色んなスパイスが利いています。
それをココナッツミルクのクリーミーさと、
コクと爽やかさを併せもつトマトがバランスを取っている。

でも僕が書きたいトピックは料理ではない。
僕が書きたいのは味見のことだ。
テイスティング。
料理はどんなに手慣れてこようとも、
味見は欠かせない。

そこで僕は味見をする人のことを観察してみた。
といっても二人しかいない。
J子店長とヤーマンだ。

しばらく前にテレビで、
コーヒーのテイスティングをしている人たちを
見たことがある。

会議室のようなところで紙コップに入ったコーヒーを
そのまま飲むのではなく、
スプーンですくって口に当てると、
「フュッ!」と勢いよく吸う方法を取っていた。
要はその飲み方が少ない量で、
正確な味が計れるということなのだろう。

アイスクリームの[ベン&ジェリーズ]の
テイスティング係の人の仕事をテレビで見たこともある。
毎日何十種類も新商品の試食をしているらしい。
その試食の方法は、
紙コップに入ったものを小さなスプーンで食べて、
また別の紙コップに吐き出していた。
それを全部食べていたらデブになってしまうらしい。

彼らは少ない量から、
多くの情報を得るということだ。

これをオーシャンに当てはめてみよう。
僕は作ったものをJ子店長に味見をしてもらう。
そういうときJ子さんはスプーンにすくったものを
全部口に入れるわけではなく、
すすっと一吸いしただけで何が足りないのか
言い当てることができる。

それが僕の場合、
スープを作ったとしても、
味を認識するのに大さじ一杯飲んでみてもまだ分からず、
二杯、三杯と飲んでやっと調整していける。
まだまだ修行が足りないな、と反省する。

では、ヤーマンの場合はどうか。
彼はカレーの仕込みで味見をするときどうするかというと、
まずご飯茶碗を用意して、
しゃもじでご飯を並盛りに盛る。
そこにレードル一杯分のカレーをどばっとかけたら、
手にした大きなスプーンで飯と共にかっ喰らう。
むしゃむしゃとかっ喰らう。
その後コップ一杯の水を飲み干して、
またむしゃむしゃとかっ喰らう。
それはもはや味見のレベルではない。
味見というか、それはもう「飯」である。

そうしてかなりのレベルの味見を経て、
できたカレーです。
ビールと一緒でも合います。

2013年4月27日土曜日

ワインとチーズの日

今日からはじまる〈海の家〉は
人知れず着々とBAR風に改造されていました。
バーテンダーに立つのは
筋肉ムキムキのイザワさんです。

ドラマーでもあるイザワさんの
そのシェイキングはかなりダイナミックです。
月に一回の〈満月BAR〉ではいつも
美味しいカクテルを作ってくれてます。

ですけど、小さな厨房の中ではシェイキングするたびに
地震が起きたみたいに周りの厨房道具類がカタカタ揺れるので、
イザワさんとしては力を持て余していたと思います。
それが外なら思う存分の力で振れます。

〈海の家〉は夜9時までの営業です。
音楽も流れます。
生ビールもあります。
海には夜光虫も出てきました。
ゴールデンタイムはオーシャンへ。

今日はワインとチーズの日です。
カフェの方は午後から貸切りパーティーがあるので、
13時半がラストオーダーで14時閉店になります。

2013年4月26日金曜日

海の家まで後一日

明日から〈オーシャンの海の家〉がはじまります。
9日間だけの限定ですけど、
営業期間中は毎日、
催し物が目白押しです。

明日の初日はビオ・ワインを取り扱っているワイン屋さんと、
吉良の[サント・ルチオ]という手作りチーズ屋さんがきます。

去年一度オーシャンでワインの試飲会を開いたときは、
一〇種類のワインを飲み比べるという内容でした。
僕は仕事の後片付けもあって、
三、四種類ぐらいしか飲めなかったのが悔しいです。

「ビオ・ワイン」には酸化防止剤が入ってないせいで、
管理が難しいそうです。
しばらく前にスタッフでまとめ買いしたワインを
一本開けたみたら酸化してしまったような感じになってました。
色が濁っていて、味も渋かった。

そのワインは半年ぐらい常温で放置していたので、
たぶんそれが原因だと思われる。
何本か、買ってすぐのビオ・ワインを飲みましたけど、
値段が安い割にはそれ以上のおいしさでした。

そのワインのツマミにとなるのが
ワインの永遠のパートナー「チーズ」です。
この[サント・ルチオ]のチーズの中でも、
ツマミにするなら山羊の乳で作ったゴルゴンゾーラが
臭い物好きにはぴったりです。

臭いのはいやだけどチーズは食べたいという人にも、
そういうチーズがあります。
でも名前を忘れました。
直接ルチオさんに聞いてください。

今日も天気は良さそうです。
今日の料理はタケノコとペコロスが盛り沢山です。

2013年4月25日木曜日

時計無しで目覚める

今日は目覚めれない。

「化学調味料無添加のラーメンに目覚める」とか、
「ロシア料理に目覚める」とか、
そういう〈気付き〉の目覚めじゃありません。
そういう〈気付き〉は「おれは○○に目覚めた!」
とすんなり言える。
それは個人の気分とか好き嫌いが多いに関わるから、
本来的な意味での〈目覚め〉ではない。

他の目覚めには、たとえば、
「石化していたゴーレムが目覚めた」とか、
「キスをされた眠り姫が目覚めた」という、
何か目覚めるためにきっかけが必要な〈目覚め〉もある。
第三者が媒介となってはじめて目覚めれる〈目覚め〉だ。
でも、そういう象徴的な目覚めも今は問題じゃない。

それと、エホバの証人が『目覚めよ!』を持ってきて、
信仰心に目覚めたとしても、
朝目覚めることができるかは別問題です。

僕が求める目覚めは、
朝ちゃんと目覚めることです。
でもこの朝の目覚めが思い通りにならない。
朝の目覚めのために目覚まし時計があるけど、
やっぱり、
いつまでも誰かに依存はしたくない。

僕は、自立的に朝ちゃんと目覚めたい。
目覚まし時計無しで起きるために、
さらに思い描く時間ぴったりに目覚めるにはどうしたらいいか。
今それを考えてます。

他に考えることはたくさんあるんです。
今日の料理の仕込みのこととか、
バナナピーナッツバタースムージーを復活させることとか。
それに今日は「満月BAR」の日です。

それに昨日見た『ドライヴ』という映画の感想も
書こうと思っていた。
主役のライアン・ゴズリングがもの静かでカッコよかったけど、
スコーピオンがでかでかと刺繍されたスカジャンだけはダサかった。

今日は目覚めることを
ぼんやりして書いてる朝です。

2013年4月24日水曜日

ダチョウ牧場

『銃・病原菌・鉄』は、
どうして大陸ごとに文化的な差があるのか、
どこにターニングポイントがあったのかを追求した歴史本です。
たとえば「家畜はいつから家畜化されるようになったのか」
という問いがある。

山羊、羊、牛、豚、鶏はずっと家畜だったわけではない。
どこかのタイミングで家畜化する方法を見つけることができた。
シマウマやイノシシやキリンを家畜にしている国がないように、
家畜は世界のどこに行ってもだいたい同じだ。

家畜にできる動物は世界中で十四種類しかいないそうです。
それを作者は一つずつ検証していく。
たとえば、ガゼルはなぜ家畜にされなかったのか?

「ガゼルは、肥沃三日月地帯に最初に定住した人びとにとって、
家畜化する機会がいちばん多かった動物であるが、
これまでのところ、ガゼルのどの近緑種も家畜化されていない。
やたらに跳ねまわって柵に激突したり、
約一〇メートル近くも飛び上がったり、
時速八〇キロで走りまわる動物を
飼育することを想像してみてほしい」

確かに、そんなジャンプ力とスピードがあったら、
一般家庭では無理だ、と分かる。

僕は昔、ダチョウ牧場があったらいいなと夢を見ていました。
普段は放牧しておいて卵を生ませることに専念させる。
出かけたくなったらダチョウに鞍を付けて、
馬のように乗り回す。
お腹が空いたらダチョウの卵を食べる。
十人前の卵焼きができるから、馬よりも経済的だと思った。

でもだいぶ大人になってから、
飲食店を家でやってる人の庭でダチョウを見て、
僕はダチョウ牧場を諦めた。
そのダチョウは鎖に繋がれていた。
もし鎖がなければ、柵は簡単に飛び越えてしまうだろう。

ダチョウを前にすると、そのでかさにひるむ。
温水さんのような髪型をしていても、
穏やかではない胸や太ももをしている。
これで蹴られたら、とかクチバシで脳天を突かれたら、
と想像して後ずさった。

それで、改めてネットの画像でダチョウを見ていたら、
なんとありましたダチョウ牧場が。
[ダチョウ王国]という名前で経営しています。
そこにはダチョウの特性としてこんなことが書かれている。

①飼育コストが安い!
②発育が早い!
③繁殖力が強い!

かなり経済的なことが書かれています。
さらにダチョウ肉や卵のレシピまで載っている。
もしほんとに家畜化されるなら、
ジャレド・ダイアモンドは内容の修正を迫られそうだ。

ダチョウ王国情報を見ると、
僕が想像していた馬のようにレースをしたりする牧場とは
だいぶ方向性がちがっていました。
飼育関係者宛てにこういうメッセージが書かれている。

「ダチョウ肉の普及に相互協力していこう」

2013年4月23日火曜日

ハミング

本をたくさん読んでるときは、
現実の経験として備わってこないことが歯がゆい。
でも、肉体的な作業に没頭して、
想像するヒマもないことも同じぐらい歯がゆい。

どっちかに偏っていると、
奥歯にものが引っかかったように、
どこに気に入らないものが入り込んでるのか
歯で探っても取り除けない。

本を噛み砕いて理解したい。
というのも、歯に衣着せぬ物言いへの憧れがあるからです。
今日のところは歯切れの悪い言葉しか無いことに、
歯ぎしりだ。

抽象的なことと具体的なことの間を行き来するために、
酔っ払うことにも、注意をしないと、
ただの酔っぱらいになる。
歯が立たない現実を前に、
はにかむ。
※〈はにかむ〉とは、歯が不揃いに生えることを言った言葉で、
それが歯をむき出すという意味に変わったらしい。

馬はよく歯をむき出しているが、
「はにかんだ馬」とは聞いたことがない。
照れて歯が出てしまう人間に対してはにかむと言うそうです。

さあ今日も、一日ハミガキからはじめましょう。
ゴシゴシゴシ。
ゴシゴシゴシ。

2013年4月22日月曜日

9日間は海の家

・今日は休みです。
今週末からゴールデンウィークで、
オーシャンでは9日間〈海の家〉をオープンします。
カクテルやビールなどの酒類と軽食を用意して、
外のデッキ席でくつろげたり、
ワークショップが日替わりで行われたりします。

カフェの方は通常通り19時までですけど、
〈海の家〉は21時まで営業をする予定です。
夕方から夜にかけて海を見に来がてら寄ってください。

ついこないだ海はかなりの赤潮で、
夜になると夜光虫が光ってました。
運が良ければ見えるかもしれないです。

・引っ越しをして、物が半分ぐらい減ったと思います。
でもまだ多すぎて整理できていません。
これをチャンスにどんどん物を減らしたいです。
いちばんは本です。
一回読んだ本でも〈良い本〉だと思ってとっといてしまう。
手放すより買う本が多いというのは悪いクセかもしれない。
最近買った林亨の『ディープ・パスタ』、
これは生パスタに特化していて良い本でした。

2013年4月21日日曜日

ヒカリズ・フィッシュバーガー

昨日の夜は貸切りパーティーで、
お客さんとの〈合作プレート〉を作ると書きました。
メインのフィッシュバーガーを作ってくれたのは、
魚屋の嫁です。
名刺の役職欄に〈嫁〉と書いてあります。
たぶんこの会社においては〈専務〉や〈社長〉よりも
〈嫁〉がいちばん偉い人だと思います。




そしてこの「カネカ神田」という魚屋のお嫁さんは、
すばらしく愛想がよくて料理上手な人でもあります。
ハンバーガーもバンズから作ってありました。

どんな魚を使うんだろうと思っていたら、
黒ムツでした。
黒ムツといったら定食屋に行くと、
けっこう高い値段が付いているのをよく見ます。

この黒ムツのフィッシュバーガーを
スタッフももらってしまいました。
すぐに食べてしまいたいお腹のグルル感を抑えて、
集中して食べるために、
ビールとともに食べるためにテイクアウトしました。

家に帰ってすぐにバーガーのかわいい紙袋を開ける。
後ろの綴じ目に「OPEN」というシールが張ってある。
気配りが半端じゃありません。
そういえば名刺の入った袋の中には、
ミントのガム一枚、綿棒、耳かき、絆創膏が
入ってました。

半端じゃないアフターケアです。
もしハンバーガーを食べてる途中、
手持ち無沙汰になったら耳かきができる。
もしハンバーガーを食べるときに勢い余って指まで噛んでしまっても、
ケガの応急処置ができる。

早速トースターで少し焼く。
バンズの表面にちょっと焦げ目が付くぐらい。
トースターから皿の上に出す。
それをテーブルの上に置いて、まず眺める。
白いバンズ。
はみ出た黒ムツのフライ。
焼けてしおれたレタス(仕方ない、黒ムツのが重要)。

両手でハンバーガー全体のバランスが崩れないように持ち、
食べる。
ふんわりしたバンズを通り抜け、
黒ムツのフライの衣に突き当たる。
さっくりした衣から、
ほろほろの柔らかい身が出て来る。
「おお、フィッシュバーガーだ!」という感じの魚です。
黒ムツという選択肢は的を得ていた、
と合点がいきます。

魚屋さんじゃなかったらこうはいかないでしょう。
耳かきをするヒマもなく食べてしまいました。

2013年4月20日土曜日

合作プレート

今日はオーシャンは普段よりも
一時間早く6時で閉店となりますのでご注意ください。
夜は貸切パーティーとなってます。

僕は今夜の料理が楽しみです。
自分が食べるわけではないですけど、それでも楽しみです。
主催者のお客さんが料理の一品として、
フィッシュバーガーを作るのだそうです。

僕は今までフィッシュバーガーを手作りするという
発想をもったことがありませんでした。盲点です。
そのバーガーの付け足しとして、
オーシャンでは副菜でオニオンリングにポテトフライ、
ミネストローネなどを出したりします。

お客さんとの合作プレートの日。
最近夜が寒いのであったかい格好でお出かけしましょう。

2013年4月19日金曜日

クロスロードの悪魔

悪魔に魂を売り渡す手前で人は、
クロスロードに差し掛かるそうです。
一本道を歩いていると、
ギターの悪魔や野球の悪魔、
酒の悪魔にペンの悪魔、
そういうのが横道からふいに現れて、
人に選択肢を迫る。

僕のところにはパンの悪魔が取引きにやってきました。
魂を売るのと引き換えにギフトを授かったり、
願いを叶えられたりする。
そのかわり体は悪魔に支配される。

パンの悪魔に魂を売った人のことを聞くと、
その人はパンために、
家がカビ臭かったという理由で引っ越しをしたそうです。

ギターの悪魔に魂を売った人のことも知ってます。
その人は60近くになった今も、
夜になると公園や海で
ギターを弾かずにはおられない体になってます。
その人も引っ越しが多いです。

僕は最近引っ越したばかりなので、
パンの悪魔との契約事項に
引っ越しがないといいんですけど。

2013年4月18日木曜日

遊びと仕事の境界線

遊びの優先度について考えていて、
僕は悩んでいる。
遊びか仕事か、どっちが大事なんだ。
飲食が主であるオーシャンの場合で考えたら、
お客さんに対するサービスが最優先、と考えるのか?

遊びも大事、
仕事も大事、
同じぐらい大事。

大事だということは大事か?
大事なことは、あんまり大事じゃないかもしれない。
大事じゃないことの方が、大事かもしれない。

どうして、「絶対に遊びよりも仕事が大事だ」って言えるのか。
大事だと思わなかったら、
お客さんに迷惑がかかったり、
スタッフに迷惑がかかったりするから?
それなら、誰かに迷惑をかけなかったら、
遊びのほうが大事だと言ってもいいのか。

そもそも仕事と遊びの境界線が何だかよく分からない。
単純に分けるなら、
お金がもらえるか、もらえないかのちがいがある。

でも、
遊び感覚でお金をもらって仕事をしている人もいれば、
僕みたいにお金にはならないけどブログを仕事だと思って
続けている物好きもいる。

僕の毎日の中には、
お金が〈もらえる仕事〉と〈もらえない仕事〉がある。
どっちが大事というのはなくて、
どっちもあるのが調子が良い。

だから、遊びでも仕事でもお金をもらえないことより、
もらえることの方が大事だっていうのは、
人にとって完全に当てはまることではないと思う。

ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』の中に、
農耕民族がなぜ狩猟民族の社会を支配することができたのかが
色んな仮説が立てられている。

そこでいちばん鮮明だった話は、
農耕民族が強かったのはなにより、
学者とか作家とか将軍とか政治家が成り立って、
つまり自由に動ける人が多かったからだ、
ということが書かれている。

1532年にスペイン人とペルーのインディオの間で起きた
「カハマルカの惨劇」を書いた章がある。
凄い話で、
狩猟民族と農耕民族の戦いでどれだけ大きな力の開きがあったのか、
びっくりするような話だった。

圧倒的な力で打ち勝ったのはスペイン人の農耕民族で、
その理由を考えた結論が、
自由に動ける人がたくさんいる社会は強い、
ということだった。

僕の疑問は戦いのことではないけど、
でも、自由に動ける人がたくさんいる方が強いという話は、
会社に置き換えてもきっと同じじゃないかと思えた。

そこで僕の疑問のイシューは、
「自由に活動する人をどれだけ許せるか」
ということにあるんじゃないか。
ルールの中のリース、これが問題だ。

2013年4月17日水曜日

パ対セ

昨日のパスタは〈パセリとセリのテラベーゼ〉でした。
芹同士で競り合ってもらう。
パとセの対決。
これがいわゆるパリーグとセリーグの争いです。

2013年4月16日火曜日

賞味期限切れレポート

引っ越しのために食材をまとめはじめました。
棚の奥から賞味期限の切れたものが色々出てきました。

優勝は片栗粉で2006年4月。
半分ほど残っている。
第二はレトルトのタコライスの素で2007年8月。
お土産でもらったものです。
第三位は〈本場の味チョウショク 七味唐辛子〉で2009年7月です。

この七味の原材料を見てみるとこう書いてあります。
「中国産唐辛子、陳皮、青のり、黒ごま、山椒、黒のり」
これは六味です。

もう一つ気になったのは、「中国産唐辛子」です。
唐辛子にだけ中国産という表記があって自信ありげです。
本場の唐辛子の味見をしてみたいところですけど、
匂いを嗅ぐだけにしときます。

賞味期限が切れただけあって、
唐辛子の匂いが薄くなってる気がする。
でも青のりの匂いは依然強い。
唐辛子と渾然一体となってるけど、
唐辛子のさっぱりした辛さよりも、
青のりの執念深さが上回ったという感じです。

以上、賞味期限切れレポートでした。

2013年4月15日月曜日

訝しき燻し儀式

引っ越しのために毎日少しずつ荷物運び出して、
家の中が空っぽになってきた。

ついこないだ、
台所の蛇口をひねると水が漏れはじめた。
風呂のお湯を張ろうと思うと水道管から水が滴りはじめた。
それを見た母親は「家が寂しがって泣いている」と言う。
僕は「この家もとうとうギリギリのところまで来ている、
一刻も早く逃げ出さなければ」と思う。

母親が玄関先にドライセージの束を置いた。
早朝や夕暮れ、葉巻に火を付けるようにして煙を焚いている。
それを見た近所の通りがかりのおばさんが、
「一体何をしてるの?」と聞いた。
母親は「セージで家をセーブしてる」と片言で答えた。
おばさんは「あらーそうなのーあははー」と笑って、
通り過ぎざまに「セージでセーブねーあははー」と言いながら去っていった。

たぶんそのおばさんには、
その行為がネイティブアメリカンの伝統的な儀式であることは伝わっていない。
ダジャレだと思われたか、
めんどくさいから関わらないでおこうと思われたかの、
どっちかだ。

2013年4月14日日曜日

物忘れ防止

物忘れが全般的に多いオーシャンのスタッフの中でも、
りょうちゃんは郡を抜いて忘れ物が多いです。
そして、そのことをまったく気にしないわけではなく、
一応それが悩みだとりょうちゃんは困った顔で言う。

先日、J子店長からりょうちゃんは、
「キャベツを持ってきてほしい」と頼み事をされました。
りょうちゃんに頼み事をする場合、
心構えとしては、
当てにしないことがなにより重要になってきます。

物忘れが多い集団なので、
みんながりょうちゃんをそのことで攻めたりすることはありません。
むしろ、「あ、この人は自分より物忘れが多いぞ」と、
「自分はそこまで物忘れが多い方ではないかも」と、
みんなの緊張感を解いてくれることに感謝するほどです。

でも、みんな社会人ですから、
それぞれ責任感は持っています。
いや責任感は人一倍強い人たちが揃ってる、
そう感じることすらあります。

「キャベツを持ってきてほしい」
そう言われたりょうちゃんの、
責任をまっとうしようとする姿を見れば、
きっと多くの人がうなずくのではないでしょうか。

りょうちゃんはすぐにカウンターのペン立てから、
[ゼブラ株式会社 ハイマッキー]
品番:MO-150-MC
特徴:太・細両用の定番品
税込価格:¥157
を手に取った。

彼女は太い方のキャップをむしるようにして抜くと、
左腕のTシャツの袖をひじの上までめくり上げて、
腕にでかでかとこう書いた。

『キャベツ』

僕が「でかでか」と言うのは誇張ではなく、
ほんとにでかでかと、です。
前腕にタトゥーを入れたように、
一文字の升目が約5センチ角サイズのキ・ャ・ベ・ツです。
〈刻印〉という言葉がふさわしいと思いました。

それでも彼女はキャベツを忘れた、
なんていうオチではありません。
りょうちゃんはちゃんとキャベツ持ってきてくれました。
なぜかモジモジしながら。

どうしたのかと聞くと、
腕にマッキーを強く押し付けたせいで
インクが洗っても消えない、と言いました。
しかも、この日にかぎってりょうちゃんは半袖でした。
薄くなった色でまだ『キャベツ』という文字が残っている。
だからモジモジしていたのだ、
とダジャレが言いたいわけではありません。

その日一日りょうちゃんは、
左腕を隠しながらホールサービスをすることになりました。
基本横立ちスタイル、という形で。

2013年4月13日土曜日

浅炒りの今後

噂によると最近、
コーヒーは浅炒りが流行ってるらしい。
浅炒りも浅炒り、
良い品質のコーヒーを紅茶のように出して、
薄いのを飲むというスタイルがきてるそうです。

コーヒー好きの人たちは
濃いのに疲れているようだ。
濃いコーヒーのトレンドは、
日本にスタバがやってきた辺りで
ここ10数年のものだと思われる。

それまで濃いコーヒー好きの人たちは、
エスプレッソマシンを置いているような店に行くか、
自家焙煎してるコーヒー屋で深炒りにしてもらっていた。
この濃い好きは年代で大きな壁がある。

70代以上の人たちは昔からアメリカンという人が多い。
この年配の方々は浅炒りとか深炒りとかいうよりは、
お湯で割って調整することに慣れている、と思う。

60代以下の人たちは濃いコーヒー好きが多い。
では日本でいちばんコーヒーを消費してる人たちはどうか。
僕はこれは、ガテン系と外回りの営業マンだと思ってる。
彼らの缶コーヒー消費量は半端じゃない。

僕も20代前半のときはそうだった。
朝の出勤途中に1缶、10時の休憩に1缶、
昼休憩に1缶、3時の休憩に1缶、
それに仕事が終わってから1缶。
1日計5缶というペースでコーヒーを飲んでいた。
たとえば3人で現場に行った帰りの作業車の中は、
空缶が山積みになる。

こういう人たちにトレンドは無用です。
缶コーヒーなら何でも飲む。
むしろ缶コーヒーじゃないと文句を言う。
嬉しさの基準はデカ缶かどうか、です。

では浅炒りを求める人たちは具体的に誰なのか。
主婦か?若年層か?
よく分かりません。
これから世間話という方法で市場調査をしてみようと思います。

2013年4月12日金曜日

パセリのテラベーゼ

今年初のテラベーゼを出しました。
〈パセリのテラベーゼ〉です。
テラベーゼとはご存知ない方のために説明をすると、
ペスト・ジェノヴェーゼの寺部版ということになります。
オーシャン独自のソースを使ったパスタです。

独自のソースにしなければいけないのは、
ジェノヴェーゼの材料にチーズが使われてるからです。
オーシャンのベジ・パスタでは
チーズの代わりに自家製の白みそを使ってます。

赤いみそでは絶対にうまくいきません。
甘みがあってコクの出る自家製の白みそは、
パルミジャーノに引けを取らない旨味を持ってます。
それに香草とオリーブオイルとナッツにも合います。

テラベーゼではバジルにかぎらず、
パセリ、パクチー、紫蘇などの香草を使い分けます。
バジルはフルーツっぽい甘さがある。
パクチーには独特のクセがあって、
はまる人はこれがいちばん好きと言う。
断然香りが冴えるのはよく育ちもする紫蘇です。
やっぱり日本の気候に合った植物には
全身で訴えかけてくる風味があります。

今使っているのはパセリです。
ここ一、二週間ほどでパセリがみるみる育ちました。
パセリを味わうなら今はかなり良い時期です。

〈パセリ・テラベーゼ〉の特徴は軽い苦さです。
苦くて美味しいものには共通点があります。
コーヒー、ビール、たらの芽など新芽、
原種のサラダ菜、魚の肝、
どれも最初の一口が苦いわけではない。
最初の一口は、
甘かったり酸っぱかったりピリッとしたりする。

〈美味しい苦味〉は飲食物を飲み込もうとした時、
ミハエル・シューマッハが直線を抜けるように、
一瞬通過するポイントだというのが僕の認識です。
「余韻漂う」という形容詞がありますけど、
これは直線を抜けたあとの残響音です。

残響音が風味になる。
〈美味しい苦味〉は通過した後に苦味が消える。
でも〈不味い苦味〉は最初から最後までいる。
ぜんぜん抜けて行かない。
事故現場に差し掛かったみたいに、
こっちはオロオロしてしまう。
そういう〈不味い苦味〉を〈えぐい〉と言ったりする。

〈美味い苦味〉は抜けきるので、
後に残る風味を邪魔しない。
そこで、僕は一つ、謎の正体に近付いた気がします。
風味とは何物か、という謎です。
それは「風味とはどこで感じるものか」という
問いで近付くことができると思う。
あの抽象的な、有るのか無いのか、
匂いなのか味なのかよく分からんもの、風味。

風味が残響音だとしたら、
風味は食べ物を飲み込んだときに感じるもの、
つまり喉で感じるのか?
いや、喉より前だと思う。

舌の奥よりも奥、
喉よりも手前。
そこに何があるか。
そこにはノドチンコがあった。

思えば、ノドチンコは何のために存在しているのか。
発音のため、誤飲の防止のためというけど、
僕はそれだけではないと思う。
このノドチンコと風味には関係があるんじゃないかと思う。
もしくはまったく関係無いかもしれない。
ノドチンコは、まあどっちでもいいです。
ともかくその周辺。

「鼻を通る」と言ったりしますけど、
この言葉は香りが鼻をリバースするときに使います。
この「鼻を通る」まさにその時、
食べ物は喉に向かって一直線。
その最終コーナー、ノドチンコ―ナーを曲がりきった後に感じる。
その時風味は立ちのぼると思う。

それは匂いだけでも味だけでもない。
風味は立ちのぼって、鼻の穴から抜け出る。
風味とは吸って感じるものではなくて、
舌の上で感じ取れるものでもない。
風味は響き、反響、木霊することに近いです。

今日はノルマ以上に書きましたので、
後は〈パセリ・テラベーゼ〉を食べてください。

2013年4月11日木曜日

タケノコ掘り

昨日は仕事の合間を縫って
タケノコ掘りに行ってきました。
2週間前にも行きましたけど、
そのときはゼロ本という悲惨な結果に終わりました。
それがなんと今回は……15本!
大収穫で、超、ハッピーです。

タケノコ掘りは趣味で行ってきたわけではありません。
タケノコを店で出したいがために、
使命感から掘りに行ってきました。
ベジタリアンの店で春にタケノコが無いなんて、
さびしすぎます。

ランチが終わってからすぐ竹林に出かけて、
暗くなる手前までタケノコ探しをしてました。
店に戻ってすぐ圧力鍋で、
米ぬかと鷹の爪を入れて煮る。
30分ほどで灰汁抜きが完了しました。

今日はタケノコを使った料理を出します。
まだどんな料理になるか決まってません。
パスタには入れたいです。
今日もオーシャンを、どうぞよろしく。

2013年4月10日水曜日

無駄なラジオニュース

「競艇結果速報です……。
本日レースはありませんでした。
以上、競艇ニュースでした」

というラジオのニュースがありましたけど、
これを一体誰が聞きたいのか。
競艇好きなら、
レースがないことぐらい分かるだろ、と思う。

2013年4月9日火曜日

本日の気になる飯屋

京都御所から二条城に向かう途中の国道沿いに、
[ごはんや アドリブ]という渋いたたずまいの店がありました。
一体どんな料理が出てくるのか気になります。
旬の素材をその都度料理して出すことを、
あんまりアドリブとは言わない。
そういうのはよくアレンジと言ったりする。
アドリブ料理。
何かウケでも狙った料理か出てくるのか、
もしくは料理人の派手な演出でもあるのか、
どちらにしても静かに料理を楽しむ店ではなさそうです。
京都観光の折にはぜひ試してみてください。
僕はやめときますけど。

2013年4月8日月曜日

ブリダイコンの迂回

『美味しんぼ(25巻)』の〈画伯とブリ〉の章は、
スランプに陥った大御所の青木画伯が、
ブリの出汁が浸み込んだダイコンを食べて、
食べてもいないブリを思い出して復活する話です。

「なるほど……。
ブリそのものを見て食べるよりも、
その美味しさの神髄の浸み込んだ大根一切れの方が、
もっと生き生きと本物のブリの存在を感じさせる……。
具象より抽象の方がより写実的か……」

ブリダイコンを食べて、その場にない〈本物〉に近付ける。
青木画伯は本物のブリを食べる以上に〈本物〉を味わった。
でももしブリの味を知らなかったら、
ブリダイコンだってことにも気付かない。


今日は京都御所の一般公開に行ってきます。
今少しずつ読んでる『源氏物語』で
この界隈が語られていますけど、
行ったことのない場所でまったく想像できません。
ブリを知らずにブリダイコンを食べてるような状況です。

せっかくブリダイコンを食べるならブリを想像したい。
ブリダイコンを知らないブリ好きじゃ物足りないし、
ブリダイコンのうまさがブリによるものだということを
知らないのももったいない気がする。

でもいちばんは、ブリとダイコン一緒に食べたい。
ご飯がいちばん進みそうですから。

2013年4月7日日曜日

種入りグリーティングカード

昨日アメリカから手紙が届きました。
「GREEN FIELD PAPER COMPANY」
というところのグリーティングカードです。
手紙は和紙の厚紙っぽいような素材で、
色んな色のツブツブが紙から透けて見えます。
植物や野菜の種だそうです。
この手紙ごと地中に植えると、
何か分からないですけど何かが育つそうです。
今度植えてみようと思います。



2013年4月6日土曜日

西尾城に行く

今日は西尾城で開催される《サクラ、ハナイチ》に
出店で行ってきます。
オーシャンでは生パスタを出します。
それとオーシャンファームの、
〈檸檬マーマレード〉と〈春蜜柑マーマレード〉も出します。
あと雨に備えてハーブティーも持って行きます。
それと雨が午後から振りそうなので、
カッパも持って行きます。

出店は久しぶりなので、
準備が大変なことを忘れていました。
持ち物リストを書くことのほうが、
車に物を積み込むよりも時間がかかりました。

スタッフのT郎と男コンビで行ってきます。
お店のデコレーションができるか心配です……。

2013年4月5日金曜日

三つ葉の種

いつもオーシャンに来てくれるIさんは仕事の都合で、
ヨーロッパに行くことになってしまいました。
お店のオープン以来足繁く通ってくれて、
誰よりも料理を誉めてくれるので、
オーシャンの厨房スタッフには欠かせない存在です。

それがもう来月には引っ越しかという時期まで
迫ってきました。
昨日ランチに来てくれたIさんのところに、
〈畑のランチ〉に付く三つ葉のみそ汁を持っていくと、
「これあげる」
と言ってなんと三つ葉の種をくれました。

三つ葉のみそ汁を出して、
お返しに三つ葉の種をもらったのははじめてです。
でもそういう話ではありません。
これはたまたまのコインシデンスです。

「三つ葉、いいですね、でもどうしたんですか?」
と僕が聞くとIさんはこう言いました。

「四つ葉には幸運が訪れるって意味があるでしょ。
でも三つ葉はふつうに見かける、当たり前なもの。
これからも当たり前な毎日を
いつものように元気に迎えてね」

ドラマチックな贈り物です。
今が植え時なので植えさしてもらいます。
育ったあかつきにはみそ汁に浮かべて
ドラマチックな薬味にしたり、
根っこまで丸ごと揚げて
ドラマチックな天ぷらにしたりします。

それで気になりましたけど、
三つ葉の四つ葉ってあるんでしょうか。
四つ葉のクローバーは一万分の一の確率でできる
突然変異らしいですけど。
三つ葉の四つ葉もし見つけたら、Iさん取っておきますね。

2013年4月4日木曜日

花粉症と半解放

今日はモーニングヨガの日です。
もう暖房もいらずに、
窓を開けて風を入れるぐらいの季節になりました。

問題は花粉症の人です。
春の風がどれだけ気持ち良くても、
全力で気持ちよがれない。
「ごめんなさい、窓を閉めてもらっても……」となる。

だいたいそういう人はもう涙ぐんでて、
鼻は赤くなっていて、
くしゃみを連発している。
そういう人に声をかけられると、
はじめその人の顔にドキッとして
何があったのかと思うけど
その後すぐに「あ、花粉ですね」と気付く。

それは去年の話で、
今年は僕も花粉症の影響を受けてます。
人生三度目の花粉症で、たまにくるせいか重く感じる。
本日の文章に覇気がないのはそのせいです。
戦意を喪失してます。

症状的にみんなとそんなに変わらないんだろうけど、
「おれの花粉症はこういうふうにヒドイ」
と被害を肥大化している。

被害の肥大、回復に期待したーい、ヘイヨー。

2013年4月3日水曜日

大人と子供

朝の仕込み中唐突にネガティブ思考か、
それともポジティブ思考かどっちだという話になりました。
「どっちかと言えばネガティブだと思います」と僕。
「あたしですかー、ネガティブですねー」とヨシエちゃん。
「私はネガティブ中のネガティブだなー」とJ子店長
昨日の朝のシフトは暗いメンツが揃ってました。

でも、瞬間的にはネガティブ同士で同じでも、
その後のリアクションは段々ちがってきます。

ヨシエの場合、
自分が落ち込んでて友達に慰められるとき、
いつも「でも……」と反論しちゃうそうです。
友「大丈夫だよヨシエ、きっとうまくいくよ!」
Y「でも、もし、もしダメだったときはどうしよう」
友「そのときはそのときで考えよう、ね!」
Y「でも、今できることを今しとかないと後悔しそうなの」
友「そっか。じゃ私も手伝う。何でも言って!」
Y「でも私、ダメ、やっぱりできない!」
友「……」
もう付き合うだけ無駄な気がしてくるやり取りです。

J子店長の場合、
一旦落ち込みはじめるとノンストップで、
底の底まで落ちて落ち込むそうです。
話し込めば涙が出て、
慰められれば涙が出て、
救いの手が差し伸べられると涙が出る。
それで解決するかというとそうはいかず、
涙に暮れるばかりだそうです。

じゃ2人ともどうしたら解決できるのか?
と僕が聞くと、
「次の日になったら忘れてるかも」とヨシエ。
「次の日ではないけど、ちょっと経てば戻るかな」とJ子店長。
「時間が解決してくれよねー」
「ねー(×2)」
と2人仲良くポジティブな結論に達する。

どこかのタイミングにポジティブ転換点があるそうです。
時間的に解決が早いか遅いかで。
この調子の波の転換点を早く迎えるために、
カラオケとか飲みに行くとかという気晴らしがある。

でも、気晴らしに行こうと思う時点で、
それはもう前向きな姿勢だといえるでしょう。
「もう忘れよう」というスイッチが入ってる。
つまり、ネガティブかポジティブを分ける要素の一つは、
どれだけ早く「忘れよう」と思うかどうかになります。

前向きな人のことをときに不安に思ったりするのは、
その人が忘れっぽいからまた同じことをしそうだ
という不安がつきまとうから不安になる。
大人の社会では「反省、反省」と口酸っぱく言われる。
「失敗を忘れるな、活かせ」と言われる。

そこでこう気付きます。
「ネガティブ=暗い人」ではない。
大人の社会に入ると強制的に、
失敗を忘れることをできなくさせられるから。

失敗した人がすぐに気を晴らしてると、
うらやましい場合もあり、大丈夫か?と思う場合もある。
こういうときはだいたい、
「おおめに見る」とか「この人はしょうがないか」とか、
ちょっと子供を見る目になる。
「ポジティブ=明るい人」ではなく、
子供っぽい人に見える。

じゃ「ずっとネガティブな人」がいちばん大人になるのか?
言い換えれば「何事も忘れない人」が大人ということか?
それもちがいそうです。
そんな人たちに囲まれたらすごく息が詰まりそうです。
やっぱりポイントは「忘れる転換点」で、
それが人の個性とか性格とか大人とか子供を表現してるのだ。

「じゃ忘れない私たちは大人ってことだねー」
「ねー(×3)」
と3人仲良く論点を忘れてポジティブに達する。

2013年4月2日火曜日

花見日和

昨日は体調がある程度よくなったので花見に行きました。
外は家の中よりもあったかかった(ウチは寒い)。
そして花は満開です。
毎年矢作川沿いの[古川公園]で、
テニスをしてピクニックというのが恒例になってます。

こんな爽やかな行事は
僕の長いトンネルのような一年を通してもそうそうありません。
ピクニックなんていうものに自分が参加してるなんて、
参加してるときですら爽やか過ぎて実感が湧きません。

僕はこういう休日も
ブログに活かせるネタ探しをするのが癖になっています。
お金にならないこのブログは趣味なのか?
と高橋秀実の『趣味は何ですか?』を読んでふと思う。

秀実は「趣味は一日の時間潰しのためである」
とインタビューを重ねて感想を言っている。
僕のブログはヒマ潰しか?
と、テニスでサーブを打ちながら考える。
意識は何か「面白い話題」を欲している。

もしこれがお金をもらえる仕事だったらどうだ。
ブログで『ディナー』の朝倉恭子みたいに原稿料をもらったら
(最近ドラマの『ディナー』を見ている)、
休日のピクニック中にまで仕事のことを考えなくなるだろう。
いや、それは嘘だ。
もっとがんばるかもしれない。
誰か僕にお金をください。
試しに。

ピクニックとテニスと本とドラマの境目を越えて、
僕の一日にブログがあるようです。

2013年4月1日月曜日

4月バカラダ

またぶり返してきた。
尾を引いている。
しかもひどくなって。
この一年で昨日はいちばん寝た。
夜と同じだけ昼も寝た。
その合間に少し働いて、けっこう食べた。
食欲は旺盛である。

今日は頭痛で目が覚めた。
後頭部の痛みだ。
そこで横を向いたら側頭部が痛くなった。
どっちを向いても痛いので起きた。

調子が悪いときはコーヒーを飲まないことにしている。
胃が荒れる気がするので。
今日でコーヒーを断って三日目だ。
コーヒーを飲まずに、
スポーツドリンクを朝昼晩飲んでいる。

病気のとき必要なものは水分と塩分だ。
物が食べれないのでスポーツドリンクで栄養を取る。
冷蔵庫から2ℓのポカリスエットを出して、
パンを一枚とクッキーとケーキを食べはじめる。
そこで自分の矛盾に気がついた。
昨日も朝はクッキーとオートミールをお椀一杯食べた。
一昨日は硬いパンケーキとオートミールを食べた。

食欲があるのにスポーツドリンクをがぶがぶ飲んでいる。
これでは塩分の過剰摂取だ。
気がつくのが遅いと言わないでほしい。
僕は病人なのだから。

病気と胃が弱くなることはセットだと思っていたけど、
今回はちがうようだ。
コーヒーを飲むことにする。
コーヒーが染み渡る。
すーっと雷雲が流されていくように頭痛が薄れた気がする。
矛盾の解消で痛みがやわらいだのか。
カフェインが痛みをやわらげたのか。
それとも、体が4月バカになってるのか。
教訓。
人に騙されても体に騙されるな!