『銃・病原菌・鉄』は、
どうして大陸ごとに文化的な差があるのか、
どこにターニングポイントがあったのかを追求した歴史本です。
たとえば「家畜はいつから家畜化されるようになったのか」
という問いがある。
山羊、羊、牛、豚、鶏はずっと家畜だったわけではない。
どこかのタイミングで家畜化する方法を見つけることができた。
シマウマやイノシシやキリンを家畜にしている国がないように、
家畜は世界のどこに行ってもだいたい同じだ。
家畜にできる動物は世界中で十四種類しかいないそうです。
それを作者は一つずつ検証していく。
たとえば、ガゼルはなぜ家畜にされなかったのか?
「ガゼルは、肥沃三日月地帯に最初に定住した人びとにとって、
家畜化する機会がいちばん多かった動物であるが、
これまでのところ、ガゼルのどの近緑種も家畜化されていない。
やたらに跳ねまわって柵に激突したり、
約一〇メートル近くも飛び上がったり、
時速八〇キロで走りまわる動物を
飼育することを想像してみてほしい」
確かに、そんなジャンプ力とスピードがあったら、
一般家庭では無理だ、と分かる。
僕は昔、ダチョウ牧場があったらいいなと夢を見ていました。
普段は放牧しておいて卵を生ませることに専念させる。
出かけたくなったらダチョウに鞍を付けて、
馬のように乗り回す。
お腹が空いたらダチョウの卵を食べる。
十人前の卵焼きができるから、馬よりも経済的だと思った。
でもだいぶ大人になってから、
飲食店を家でやってる人の庭でダチョウを見て、
僕はダチョウ牧場を諦めた。
そのダチョウは鎖に繋がれていた。
もし鎖がなければ、柵は簡単に飛び越えてしまうだろう。
ダチョウを前にすると、そのでかさにひるむ。
温水さんのような髪型をしていても、
穏やかではない胸や太ももをしている。
これで蹴られたら、とかクチバシで脳天を突かれたら、
と想像して後ずさった。
それで、改めてネットの画像でダチョウを見ていたら、
なんとありましたダチョウ牧場が。
[ダチョウ王国]という名前で経営しています。
そこにはダチョウの特性としてこんなことが書かれている。
①飼育コストが安い!
②発育が早い!
③繁殖力が強い!
かなり経済的なことが書かれています。
さらにダチョウ肉や卵のレシピまで載っている。
もしほんとに家畜化されるなら、
ジャレド・ダイアモンドは内容の修正を迫られそうだ。
ダチョウ王国情報を見ると、
僕が想像していた馬のようにレースをしたりする牧場とは
だいぶ方向性がちがっていました。
飼育関係者宛てにこういうメッセージが書かれている。
「ダチョウ肉の普及に相互協力していこう」
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