2013年4月24日水曜日

ダチョウ牧場

『銃・病原菌・鉄』は、
どうして大陸ごとに文化的な差があるのか、
どこにターニングポイントがあったのかを追求した歴史本です。
たとえば「家畜はいつから家畜化されるようになったのか」
という問いがある。

山羊、羊、牛、豚、鶏はずっと家畜だったわけではない。
どこかのタイミングで家畜化する方法を見つけることができた。
シマウマやイノシシやキリンを家畜にしている国がないように、
家畜は世界のどこに行ってもだいたい同じだ。

家畜にできる動物は世界中で十四種類しかいないそうです。
それを作者は一つずつ検証していく。
たとえば、ガゼルはなぜ家畜にされなかったのか?

「ガゼルは、肥沃三日月地帯に最初に定住した人びとにとって、
家畜化する機会がいちばん多かった動物であるが、
これまでのところ、ガゼルのどの近緑種も家畜化されていない。
やたらに跳ねまわって柵に激突したり、
約一〇メートル近くも飛び上がったり、
時速八〇キロで走りまわる動物を
飼育することを想像してみてほしい」

確かに、そんなジャンプ力とスピードがあったら、
一般家庭では無理だ、と分かる。

僕は昔、ダチョウ牧場があったらいいなと夢を見ていました。
普段は放牧しておいて卵を生ませることに専念させる。
出かけたくなったらダチョウに鞍を付けて、
馬のように乗り回す。
お腹が空いたらダチョウの卵を食べる。
十人前の卵焼きができるから、馬よりも経済的だと思った。

でもだいぶ大人になってから、
飲食店を家でやってる人の庭でダチョウを見て、
僕はダチョウ牧場を諦めた。
そのダチョウは鎖に繋がれていた。
もし鎖がなければ、柵は簡単に飛び越えてしまうだろう。

ダチョウを前にすると、そのでかさにひるむ。
温水さんのような髪型をしていても、
穏やかではない胸や太ももをしている。
これで蹴られたら、とかクチバシで脳天を突かれたら、
と想像して後ずさった。

それで、改めてネットの画像でダチョウを見ていたら、
なんとありましたダチョウ牧場が。
[ダチョウ王国]という名前で経営しています。
そこにはダチョウの特性としてこんなことが書かれている。

①飼育コストが安い!
②発育が早い!
③繁殖力が強い!

かなり経済的なことが書かれています。
さらにダチョウ肉や卵のレシピまで載っている。
もしほんとに家畜化されるなら、
ジャレド・ダイアモンドは内容の修正を迫られそうだ。

ダチョウ王国情報を見ると、
僕が想像していた馬のようにレースをしたりする牧場とは
だいぶ方向性がちがっていました。
飼育関係者宛てにこういうメッセージが書かれている。

「ダチョウ肉の普及に相互協力していこう」

0 件のコメント:

コメントを投稿