2016年1月19日火曜日

ワトソンビルの朝

ぼくの家族はカリフォルニア州のサンタクルーズ郡
ワトソンビルに住んでいます。
サンタクルーズはサーファーの聖地として知られていますけど、
ワトソンビルは山側に位置する農業地帯です。

特に、車で走っているとりんご樹林が多くて、
マルティネリというオーガニックアップルジュースで有名な会社があります。
日本の結婚式の引出物でこの会社の丸い瓶に入ったアップルジュースをもらい、
産地を見ると家族の家の住所が載っていてはじめてその存在を知りました。

お土産に買ってきてほしいと頼まれて何軒か店を周りましたけど、
地元だからといって特別な値引きはなく、
日本のコストコで買ったほうが安そうだったので買いませんでした。
ぼくが滞在していたのは丁度クリスマスシーズンで、
地元の人たちはこのマルティネリのアップルサイダーを買っていました。

アメリカのクリスマスは朝ゆっくりと動きだし、
飾り付けされたもみの木が置かれたダイニングで
朝食兼昼食のブランチをするのが一般的な習慣です。
うちでは毎年メニューがだいたい決まっていて、
スクランブルエッグにベーコンと、
焼いたベーグルにクリームチーズとスモークサーモン、
アボカドにアルファルファが並びます。

子供はオレンジジュースを、
大人はオレンジジュースとシャンパンを半分に割ったものを飲みます。
日本だとクリスマスにシャンメリーとかよく売れますけど、
たぶんそういう感覚でノンアルコールの泡がある飲み物ということで
このマルティネリのアップルサイダーをみんな買ってくようです。

母親はガーデニングが好きで、
引っ越すたびに庭やベランダを開墾して収穫可能な土地に変えます。
今のワトソンビルに引っ越したのはここ三年ほどで、
海側に比べると家賃も安く、使える土地が広いので母親は満足しています。

海まで歩いて三分のところに住んでいたときは月に2100ドル払っていて、
今のダウンタウンまで車で三十分の場所では1300から1500ドルぐらいです。
日本の感覚ではべらぼうにたけーと感じますけど、
カリフォルニア州の人気がある地域では日本の都心と同じぐらいなんですかね。
アメリカは西側と東側の生活費は同じぐらいで、
中心に向かうほど下がっていきます。

こないだの十二月の下旬は例年よりも寒かったそうで、
毎年暖房を使うことも早朝以外はなかったのに、
今回はぼくが「寒い寒い」と言っていたせいで電気ヒーターを買ってきてくれました。

早朝、ぼくはだいたい夜明け直前に目覚めていました。
外でおしっこをするために霜で白く凍った芝生の上をバリバリ歩き、
村が一つすっぽり入るぐらい広いオレガノガーデンの向こうから昇る
朝陽の光線を浴びるのが日課でした。

母親は家の周りを果樹と沈丁花で埋め尽くすと、
今度は家の中をサラダ工場にするべく窓という窓の前に
プランターを並べはじめました。
トマト、レタス、バジル、ディルは口を開けて整列したひよこのように育っています。

これを真似て先週からピッツェリアの石窯の前に鉢を三つおき、
バジルの種を植えると芽が出てきました。
今週から寒くなるみたいだけどすくすく育ってくれるといいなー。







2016年1月4日月曜日

フライパンシナモンロール

ぼくはアメリカにくるたびにカフェやベーカリーを巡って、
色んなシナモンロールを食べます。
自分でシナモンロールを作りはじめる前から変わらず。

作りはじめてからは意識して自分のものと比べるようになりましたけど、
そんなことを考えなくても
アメリカでシナモンロールを食べるのは楽しいです。

ナポリではどこの店も「うちのピッツァが一番だ」と言いますけど、
アメリカでは「うちのシナモンロールがベストよ」と誇らしげな顔でよく言われます。

今回はアメリカ滞在中に五種類食べました。
印象的だったのはハリウッドの〈トースト・ベーカリー・カフェ〉のもので、
ここのシナモンロールはフライパンに載って出てきました。
そしてアイシングがスキー場の雪みたいに覆いかぶさっていたので、
食べるときには除雪車のように掻き分けながら食べないといけませんでした。
日本人なら誰でもこれはトゥーマッチだと思うぐらいの量です。

一つで8ドルします。
鉄板の上でナイフとフォークを使って食べていると、
アイシングが溶けたモツァレラに見えてきて、
茶色のパンがハンバーグに見えてくるという錯覚も味わえます。

もうすぐで7日の年明け営業になります。
朝の9時からモーニングをはじめますので、
ぜひオーシャンのシナモンロール食べに来てください。

アイシングでロールが見えない。