2014年1月31日金曜日

ネズミの説得

「出て行けるように隙間を開けておいたから、
今日かぎりでこの家を出て行ったほうがいいとおれは思う。
申し訳ないけどきみの子供たちは川で処分させてもらった。
もうこの家に残る理由もないはずだ」

そう言って宮本さんは朝出勤して行きました。
家の窓という窓、
そして玄関扉が閉まらないようにスニーカーを挟んだ。
宮本さんがネズミを説得するために放った肉声です。

米と大豆を作る農家にとってネズミとの縁は深いです。
それはネコとネズミの戦いよりも長い歴史をもつ、
太古の社会から続いてきた戦いです。
やられてはやり返し、やり返されてはやってやる。

宮本さんのネズミに対するアンテナは敏感で、
夜寝ているときにでもネズミの微かな足音に気付く。
人が起こそうが電話がかかろうが起きないけど、
ネズミの足音には目が覚める。

「だけど」
と宮本さんは言います。
「気付いたことに気付かれないで」
というのは、まず把握しなければならないことは、
ネズミの通り道だそうです。

ネズミの通り道さえ押さえればこっちのものだ、
と言う宮本さんはこれまで二〇数匹の身柄を押さえてきました。
正真正銘のネズミハンターです。
その通り道を確認した翌日にすぐ粘着トラップを設置する。
このやり方でほとんどしくじったことはないと宮本さんは豪語する。

粘着トラップを仕掛けた翌日にはネズミが引っかかっている。
だけど結果をすぐに求めてはいけない。
その後三日以内に仲間が様子を見にやってくる。
それも一緒に捕まえると言います。
一つの粘着トラップで三匹が宮本さんのアベレージです。

しかし、一匹だけどうしても居所が掴めなかったのがいた。
夜に耳を凝らしてトラップを設置してもかからず、
天井裏、押入れ、風呂場、あらゆる場所を探しても分からなかった。

ある日宮本さんはタンスに服を仕舞っていたとき、
はっと閃きタンスを傾けた。
そこに見たものは和室の畳に穴が開き、
プラスチックなどのゴミが集められたネズミの巣でした。

宮本さんがタンスを傾けると、
顔の横を弾丸のようにすっ飛んでいくものがあった。
大ジャンプをしたネズミでした。
その日、その巣で見つけた子らは川へ、親はいずこへ。

——もうこの家に残る理由もないはずだ——

と言って仕事に出て行った宮本さんは、
陽暮れ前の夕方に帰りました。
窓も扉も隙間は開いたままです。
異変がないか家を見渡すと、黒いシルエットを目にしました。

家のガラスは磨りガラスになっていて、
外から農作業用の鍬が立てかけられている。
中から見るとその鍬の棒と刃がシルエットで見える。
しかここの日見えたのはその鍬の刃の上に、
ネズミのシルエットがあった。

なだらかな心電図のような長い尻尾と、
体格の良いネズミが映っていました。
その後ネズミの姿はふっと消えてそれ以来戻らなかったそうです。

「彼はそうやって自分の姿を見せてくれた。
そう、説得に応じてくれたと思う」
と宮本さんは遠くを見つめたまま、しみじみ語り終えました。

2014年1月30日木曜日

畑の隅のF1トウモロコシ

十年ほど前に宮本さんがトウモロコシと会話をした話しです。
宮本さんが畑をはじめてから軌道に乗ったとき、
F1種のトウモロコシの種を手に入れました。
当時宮本さんは在来種ではなく品種改良されたF1種に対して、
「ホンモノではない」という批判的な考えを持ってました。

だけど一回自分でも育ててみなければいけないと考えて、
十何種類かの在来種の野菜が植わっている畑の一角に
そのトウモロコシの種を蒔きました。
芽が出てトウモロコシが成長するまで宮本さんは、
「彼のことを憎んでいたと言っても過言ではない」
と言っていました。

月日は経ち、
夏になって伸びたイネは黄色い実を結びました。
宮本さんはいつも通り水やりをしていました。
トマト、ズッキーニ、ナスなどに水を撒いているときです。
誰かが宮本さんに話しかけました。

パッと後ろを振り返っても誰もいません。
宮本さんが辺りを見渡していると、
そこでまた声が聞こえてきました。
今度はその声を聞き取ることができました。

「何でぼくは違うんだろう」

かわいらしい、だけど悲しい声でそれは言いました。
宮本さんはその声を辿るまでもなく、
誰が話しているのか分かりました。
視線のすぐ先には立派に実を結んだトウモロコシがいました。
宮本さんが目の敵にしていたトウモロコシです。

だけど彼(トウモロコシ)は卑屈になるでもなく、
ひがむでもなく、いじけるでもなく、
純真なまでに清らかな声で言いました。

「何でぼくは違うんだろう」

宮本さんは手に持っていた如雨露を落とすと、
散水スプリンクラーのように涙が溢れて止まりませんでした。
宮本さんはトウモロコシとしばらく見つめあってからこう言いました。

「君は何も悪くない。
悪いのはこの社会のシステムなんだ。
君は君のままでいい」

そして宮本さんはトウモロコシを抱きしめた……。
と、までは言ってませんけど、
それぐらいの感動的な会話をしたことがあるそうです。
農業との向き合い方が変わった一つの出来事だそうです。

次回のブログは「宮本さんネズミを説得する」の巻です。
宮本さんは農業と純粋に向き合ってた頃、
動物とも植物とも心を通じ合わせることができると言ってました。
最近は農業もちょっとこなれてきたから会話が出来ないそうです。

2014年1月29日水曜日

無になる運動

サービス業はほとんどそうだと思いますけど、
僕も立ち仕事です。
立ち仕事の良いところは、
「運動も兼ねるから健康に良いのだ」と思ってました。

だけど医者から言わせると違うそうです。
「運動と労働は別物だ。
無になって体を動かすのが運動」
ということみたいです。

帰ってから思いましたけど、
じゃ無になって仕事をしている人はどうなんだろう。
今度聞いてみようと思います。

2014年1月28日火曜日

未完の煙突掃除

昨日は煙突掃除をしました。
棒の長さが足りず掃除が終わりませんでした。
一箇所届かないところがあったのです。
こうなるともう、掃除してないのと同じです。
むしろ余計気になります。

風呂から出てタオルで体を拭いているときに、
腕を上げるとふっとボディーソープの香りではなく、
汗の臭いに気付く。
ワキを洗い忘れてもう一回風呂に入って洗い直す。
それと同じ感じです。

煙突掃除セットをこないだ買ったんですけど、
そのセット内容はこうです。
・先端のブラシ
・1mの棒
・棒とブラシを接続する金具

しめて八千円弱でした。
買うときに僕は棒の長さを深く考えていませんでした。
ピッツェリアの煙突はそこまで長くありません。
計四mぐらいです。

「L」字になっていて縦も横も約2mです。
縦は上下から掃除できるので1mで足ります。
問題は横でした。
横の方は片側からしか掃除ができません。

先端のブラシが20㎝ありますけどそれでも80㎝足りません。
僕は上着を脱いでTシャツになりました。
冬の浜風を受けて、煙突掃除。
ちょっとロマンがありませんか?

ともかく、先端ブラシ・棒・腕、
この三点セットで肩の付け根のところまで突っ込みました。
僕の腕は74センチなので計194㎝になります。
メジャーで測ったので間違いないです。

だけどまだ届かなかったです。
目測ですけど15センチ足りません。
よく両腕を広げた長さが身長だと言いますけど、
15センチといったら僕の身長は168センチなので、
もし片腕が15センチ伸びたら僕は最低でも198センチの体になります。

ダルビッシュでもこの煙突掃除は2センチ足りません。
だからあまり悔しくありません。
また延長棒を追加で買ってもう一度掃除します。

2014年1月27日月曜日

ワークショップと習い事

二月八日に予定している「石窯ピザ焼き体験」と、
「ウクレレワークショップ」はおかげさまで定員に達しました。
大人数でできることではないので、
きっと密度の濃い時間になると思います。

ワークショップと習い事は別物です。
習い事には理想とか目標が付いて回ります。
スキーの二級検定を取るとか、
茶道や華道でその道のメンタリティーを身につけるとか。

習い事は理想とか目標があるので大変です。
一番最近の僕の習い事はギターでした(五年ぐらい前ですけど)。
今回のウクレレワークショップの講師である
中村先生に教わっていました。

ぜんぜん続かなかったです。
中村先生のせいじゃありません(ウソじゃないです)。
中村先生はとても良い先生です。
僕の指の動きがひどかったんです。

弦を押さえる左手の指が他人のものみたいに動かなかったので、
しょうがないから右手でつまんで動かしてやらなければならず、
それで右手が忙しくなって手不足になったのがギターを辞めた理由です。
手が三本あれば続いていたと思います。

それに比べてワークショップは習い事と違って本番一発勝負です。
創作に徹すればいいので、
理想とか目標でストイックにならずにもすみます。
その日一日で完結するっていうのがワークショップの良いところです。

良くも悪くも一日で終わるワークショップと、
良かろうが悪かろうが明日も続く習い事。
特に何か言いたいわけでもありませんけど、
当日は楽しみましょう。

2014年1月26日日曜日

掃除ができるときできないとき

昨日は久しぶりに人が家に来ました。
「人」といっても元々一緒にシェアハウスをしていた人です。
普段ウチに人が訪ねてくることは少なく、
僕は家に帰れば部屋に直行して閉じこもっているほうです。

だけど人がくるときはだいたいダイニングキッチンにいます。
そこでご飯を食べたり飲んだりします。
それにしても昨日は片付きました、
キッチンが。

訪ねてきた人には失礼かもしれないですけど、
僕は会話をしながら他の事をしたくなります。
ただ座っているよりは料理をしたり、
普段はしないですけどお茶を出してみたり。
お酒だって飲まないよりは飲みながら会話をしたいです。

その場の「おもてなし」ではなく、
何かしながら動くことがクセになってます。
次の日の朝ご飯の準備をしたり、
棚を拭いたり掃除をしたり、
空缶や空き瓶をまとめたりとか。

誰かが訪ねてくるよりも、
その人が帰るときのほうが片付いています。
大人数のパーティーのときはだいたいこの逆で、
「後はやっておくから」と言って帰ってもらう。

だから僕は大人数のパーティーよりも、
少人数のご飯会のほうが好きです。

問題は、長い間そういうご飯会なんかをせずにいると、
「いつのかの会があるときに取っておこうと」
と思ってあんまり片付けなくなることです。

2014年1月25日土曜日

お困りコーナー

いつもチーズを買いに行く[サントルチオ]さんで、
こないだ個人用に生クリームを買ってきました。
早速家でホイップをしてみようと思ってボウルにあけてみて、
そこで気付いたんですけど、
一般的に売られてる生クリームとは違って硬いです。

液体ではなくほぼ固形。
とりあえずホイッパーでかき回せばいいのかなと思って、
ガシガシとかき回してみました。
気持ちはガシガシなんですけど、
クリームがすべてホイッパーの中に入り込んで出てこなくなり、
何もかき混ぜれませんでした。

これは勝手が違う、と思って冷蔵庫に仕舞いました。
僕は諦めが早い方です。

それで次に[サントルチオ]さんに行ったときに、
あの硬い生クリームはどうしたらいいのかと聞くと、
「脂肪分が高いから牛乳を混ぜて」
と言われました。

それで牛乳を入れてホイップしたらうまく泡立ちました。
以上、「牧一心のちょっとお困りコーナー」でした。

※量は袋を棄てちゃって忘れましたが、
200㎖のパックに入ってるぐらいです。
値段は450円なので気持ち割高かもしれないですけど、
牛乳を入れてかさ上げされるのでちょっとお得感があります。

2014年1月24日金曜日

季節のヨガ

寒いです。
寒いとカラダが硬くなります。
この時期のヨガクラスでは、
カチカチになった体をじんわり伸ばす動きがテーマにされてます。

僕は石窯で焼いたピザをいつも階段を駆け上がって、
ドームハウスに届けてますけど、
たまにその往復中に、
カチカチに硬くなったふくらはぎがピンと張ることがあります。
今のところ、この状況でツッてピザを放り出して、
階段から転げ落ちたことはありません。

サッカーの試合中にツッたことは何回もあります。
だけどそういうときはまだいいです。
もちろん痛いですけど、
倒れ込むフィールドがあるし、
介護してくれる人たちが周りにいます。

理不尽なのは、
夜中寝ているときにパッと目が覚めて足がツるときです。
いや、逆か?足がツッたからパッと目が覚めるのか?
ともかく、突然苦しみがやってきます。
一人夜中に「ウウウッ」と苦しむのは損な気がします。

どうせ苦しむなら人のため社会のためお金のためとか、
何でもいいですけど、
せめて何か意味がある苦しみにしたいもんです。
そもそも、苦しまなくていいなら苦しみたくないです。

僕は、人は幸せを求めて生きているのと同じぐらい、
苦しみから解き放たれたいと思いながら生きている、
と思ってます。

体は季節や体調によって硬くなったり柔らかくなったりする。
硬い体はときに理不尽な苦しみをもたらす。
「硬さから解放されよう」
その願いがヨガの思想の根底に流れているのである。
……というのは今僕が勝手に作った言い回しです。

しかし僕はこれを大げさな言い回しだなんて思いません。
ヨガは季節で体を伸ばすポイントが変化するのはほんとのことです。
寒いときと暑いとき、
季節の変わり目や湿度の影響。

その時々で体は影響を受けます。
ヨガはそのバランスを保つために良い運動になります。
これからオーシャンのホームページの、
ヨガページの中で季節のヨガの説明などをしていく予定です。

早朝の海を見ながら体を伸ばすのは気持ち良いです。
ぜひみなさんも、
夜中に足をツらないためにもオーシャンヨガに参加してみてください。
きっと心は水平線のように落ち着いた気持ちを味わえると思います。

2014年1月23日木曜日

ピザ焼き体験

来月から春にかけて、
オーシャンのワークショップが目白押しになってます。
その中で僕が担当するのは「ピザ焼き体験」です。

体験は生地を手で伸ばすところから、
自由にトッピングをしてもらい、
パーラーという道具にピザをのせて窯に入れます。

ワークショップのハイライトは、
生地を手伸ばしすることや、
自分の好きなようにトッピングすることももちろん楽しいんですけど、
たぶん石窯で焼くことです。
ここに一番の驚きがあると思います。

ピザを美味しく焼くために、
石窯の温度を約五〇〇度前後に上げます。
オーブンでピザを焼く感覚で五分も放置すれば真っ黒の炭になります。
この温度でピザは一分から一分半という早さで焼けます。

この間に窯に入れたピザをきれいに焼くために、
道具を使って回転させたり場所を動かしたりします。
窯に入れてただ呆然と見ているだけだと、
火力が強い面だけ焦げて半分はあまり焼けてないという状態になります。

それと、窯に入れて時間をかければかけるほど、
生地から水分が飛んでカリカリのクリスピーになっていきます。
石窯の特徴はその高温で素早く焼くことで、
そうして一瞬で焼き上げるピザはもちもちになります。

この「一瞬で焼く」という体験を味わってもらいたいです。
花が蕾から開くまでとか、
タワーの建設を基礎から立つまでとか、
早送りの映像がよくあります。

それと同じように、
窯に入れた生地は早送りでぷっくりと膨みはじめて、
焦げ色が刻一刻と変化していきます。
短時間に気を配らないといけないことが色々ありますけど、
スピード感を楽しんでもらえると思います。

このピザ焼き体験の前にはウクレレワークショップも行われます。
よかったら遊びにきてください。

2014年1月22日水曜日

剣山を身近に感じよう

三月にオーシャンでは「活花ワークショップ」が開催されます。
昨日講師の方とスタッフが店で打ち合わせをしていて、
僕はピザの仕事をしながら話しを聞いていました。

今回の「生花ワークショップ」のキーワードは「剣山」です。
企画コンセプトは、
「ここ最近生花を生けるのに吸水スポンジが一般的になり、
伝統的な道具である剣山が省みられなくなっているけど、
剣山には良いところがたくさんある」
というようなことでした。

そこでみんなは、
その剣山にスポットライトを当てたタイトルを考えてました。
だけどすぐに問題が立ち上がりました。
「剣山」という単語が入るとなぜか文脈通りの意味から外れる感じがする、
という問題です。
最初に上がったタイトルはこうです。

「剣山を身近に感じよう」

一見普通と言えば普通で、
ワークショップでは端的にこのことを伝えたい。
でも何か変だよね、
と机を囲んで打合せをしている人たちは言いました。

「剣山」と「身近」を組み合わせるとチクチク感がある、と。
剣山。
あの、針がたくさん集合した丸いコースターのようなもの。
僕らはどのようにして剣山を身近に感じるのか?

たとえば、剣山を顔の横とかに持ってくることを想像すると
チクチク感があります。
顔のそばに持ってくるものじゃないのに、
剣山という言葉が一人歩きして顔の近くまでやってくる、
イメージ的に。

それじゃということで他のタイトルが考えられましたけど、
あまり剣山に光を当て過ぎても、
生花がどっかに行ってしまいます。

「剣山の使い方」
「剣山の効果と実践」
「剣山を使った基本を教えます」
「KENZAN」
「剣山の正しい使い方と間違った使い方」

剣山の間違った使い方って何でしょうか?
肉叩きにするとか、
お仕置きの道具にするとか?

というふうに、
ああでもないこうでもないという話しを聞きながら、
僕はピザを焼いてました。
話しはまとまったそうですけど僕は途中で聞けなくなりました。

三月の「生花ワークショップ」気になる方、
近日中ホームページに詳細アップ予定なので、
またチェック&クリックしてみてください。

2014年1月21日火曜日

良いワークショップ

「散らかっている部屋」というのと、
「汚い部屋」というのは、
整理整頓好きの人に言わせると大きな隔たりがあるそうです。

「散らかっている部屋」はモノが散らばっているだけで、
そのモノさえ整理すれば片付く。
それに対して「汚い部屋」はモノが散らばっている上に、
というか、モノが散らばっている下をのぞくと、
汚物が出てくるような部屋を意味する。

「散らばる」のは数日で散らかる表面的なもので、
「汚くなる」のは数ヶ月単位で堆積したゴミの地層、
という感じです。
だから散らかっているうちならすぐに片付くけど、
汚くなっていると簡単にいかない。

そういえば、
オーシャンの床はなかなか汚れずに良い状態をキープできてます。
ドームハウスが出来て三年が過ぎましたけど、
フローリングには多少傷が付いていてもきれいなままです。

というのはオーシャンでは毎週二回ヨガを行ってますけど、
ヨガはマットを敷くにしても床に横になるので、
はじめる前に掃除機をかけて雑巾掛けをしています。
そのおかげで定期的に床磨きをする習慣ができました。

これはもう逆に、
お金を払ったほうが良いぐらいなんじゃないか、という習慣です。
これも良いワークショップになる要素の一つですかね?
ワークショップとは直接関係ないところで良いサイクルが生まれました。

2014年1月20日月曜日

パフォーマンス低下

内田樹が『修業論』で、
自分のパフォーマンスを低下させるものから離れることが大事、
というようなことを言ってました。

昨日は焼酎が僕のパフォーマンスを低下させました。
アップしようと思ってたブログを忘れて寝てしまいました。
ぜんぜん修業論を読んだ甲斐がありません。

今日は朝ごはんにダイコン葉の焼き飯と味噌汁を食べてます。
昨日ハラさんが作ってくれたものです。

ウーファーで一週間前からお手伝いに来てるハラさんも、
もう残りわずかでお別れです。
一、二週間という短期間のウーファーもいれば、
数ヶ月滞在する人もいます。

数ヶ月いる場合その人となりが掴めますけど、
短いうちでその人のことを知るのは難しいです。
そのためになんとか質問で解決しようと思う。
聞いて知る。
良い質問をすればその人のことを理解しやすくなる、と僕は考えて、
適度に、嫌がらないていどを心がけて質問をする。

その結果、
28歳独身ハラさんのことを一部知ることができました。

①北海道で営まれる蕎麦農園は曾祖父からはじまり彼で四代目になる
②ディズニーランドには毎年行くけど去年は10回行った
③彼女は9歳年上
④登山の最高記録は年間50回
⑤そのうち30回は渓流釣りをする
⑥献血は通算73回

さらに料理が得意で、
昨日は僕が家に帰るとご飯を作って待ってくれていました。
ダイコンの中華風餡かけに、
イワシの唐辛子煮と、
ダイコン葉の焼き飯でした。

彼のパフォーマンスレベルはかなりのところまで行ってます。
特に献血73回っていう話しはこっちの顔が白くなりました。
血を吸い出されて、
遠心分離機で何かを分離させて(何だったか忘れた)、
分離させた血をカラダに戻すのが不思議な感じがする、
と言ってました。

その話しは僕のパフォーマンスを低下させてカラダが硬くなりました。
僕は注射がイヤで会社の健康診断ですらずっと断っています。

「献血やってみたらいいじゃないですか」とハラさんは言いました。
「考えておく。そこら辺僕は情けないな、ははは」と僕が頭をかくと、
ハラさんは真顔でただ一言「はい」と言いました。

今日はオーシャンお休みです。
仕事の人もお休みの人も、
良いパフォーマンスを発揮できますように。

2014年1月18日土曜日

凍った息の音

「こちらはシエルの家です。
今日は九月十一日火曜日。
今日の豆知識はこちら。
極寒のヤクーチアでは凍った息の音をこう呼びます
“星々のささやき”」

これはある小説の冒頭です。
僕はこの冒頭部分が好きで、
はじめて読んだときすぐに、
ノートを開くこともせず、
表紙にこの言葉をそのまま書き写しました。

そのせいで、
ノートが埋まるまでの数ヶ月間(去年の春から夏ぐらい)、
毎日のようにこの言葉を読む、というか、
この言葉が勝手に目に飛びこんできていました。

そのせいで、
今日みたいに寒い朝目覚めて吐き出す空気が白いときは、
決まってこの“星々のささやき”を思い出します。
凍った息の音ってどんな音なんですかね。
(ヒュルルルル、とか?)

ともかくそのせいで、
なんだか自分のこの白い息が
すごく貴重で良いものだと勘違いしそうです。
実はニンニク臭かったりしたらイヤですね。

こんなに自分の意識にこの小説の言葉が影響を及ぼしているんですけど、
誰の小説だったかどうしても思い出せません。

2014年1月17日金曜日

ハワイ土産のフラダンサー

最近偽装のニュースをよく聞きます。
偽装は悪いことです。
だけど世の中にはうやむやにしといたほうが
いいんじゃないかということもあると思います。

小夜子さんがハワイのお土産を買ってきました。
「HAWAII」と印字されたフラダンサーの栓抜きです。


こてこてのハワイ土産です。
足下にも「HAWAII」という印字がある。
もうハワイ以外の何者でもありません。


ところが引っくり返して裏を見ると
(アングルがフラダンサーの彼女に申し訳ないですけど)、
当然このシールが張ってあります。
「MADE IN CHINA」


それはもう、チャイナだってことはだいたい分かりますよ。
だけどハワイ、ハワイ、とここまで押しといてチャイナっていうのは、
風流も何もないな!と思います。
(栓抜きに風流はなくてもいいんですけど)

ハワイ、ハワイ、ときてお土産をもらった方の心理としては、
「ああ、ハワイに行くとこんなフラガールが出迎えてくれるんだよなー」
とパラダイスを想像します。
青い海、赤いハイビスカス、緑のヤシの木、
そんなカラフルな光景がまぶたの裏に映る。

というところで栓抜きをしみじみ観察していて、
このチャイナシールを発見すると、
それまでの想像のパラダイスが瞬く間に北京スモッグに覆われます。
いや、なにもチャイナが悪いということじゃないです。
チャイナは世界の工場で求められるものを作るから、
求められるかぎり存在するっていうことですからね。

だけどもうちょっとどうにかして、
パラダイスを継続させてくれるようなやり方はないもんかと思いました。

確かに「うやむや」ということは人の怒りを買うことが多いです。
「そんなこと聞いてないよ!」
というような怒りになります。

僕だってこないだベリーズで買った太鼓をお土産で持って帰って、
オーシャンで一番太鼓に詳しい宮本さんに渡したら即、
「これはバリで作られたやつだね」
と指摘されたときはヤラレタと思いました。
「おい、これは詐欺か!?」と、
「おれの20ベリーズドル返せ!」と思いました。

そんな詐欺感はありますけど、
ちょっと時間が経つと心の奥のどこかで
「あれはベリーズのものさ」と思うようになってます。
だって「◯◯産」ということが一言も書いてないですから。
むしろ太鼓にでかでかとBELIZEとペイントしてあります。

僕はしばらくの間こういう「うやむや感」にアンテナを張ってます。
ずっとうまく言葉にできないことですけど、
グレーゾーンを白黒はっきりさせていくことばっかりが
いいことでもないんじゃないか、という考えです。

偽装は言うまでもなく悪いですけど、
「うやむや」は笑いや想像を引き起こしたりします。
ということをこのフラダンサー栓抜きを見て思いました。

2014年1月16日木曜日

ウーファー歓迎

昨日からオーシャンには北海道より
ウーファーの方が農業を手伝いに来てくれてます。
オーシャンでは「WWOOF(ウーフ)」のシステムを活用して、
季節を問わずウーファーを募集しています。

ホスト側であるオーシャンは宿泊場所と食事を提供し、
それと引き換えに仕事を手伝ってもらっています。
毎年夏になると二、三人のウーファーが来てくれています。
外国から来る方もいれば、
日本人もいます。

仕事内容は畑、カフェ、カヤックなど幅広いですけど、
だいたいオーシャンに来るウーファーは、
自然農法を見学しにくる方が多いです。

もちろん農業にフォーカスしていない人もいます。
フランス人のジェレミーという大学生は日本人の彼女に会うのが目的で、
仕事は何でも構わないという人もいました。
ジェレミーは週末彼女に会いに行く日以外は目が死んでいました。

そういうあからさまな彼を見ていて僕は面白かったですけど、
彼自身の健康にとってどうなんだとも思いますから、
「どうせ仕事をするなら楽しめることを見つけよう」
という気持ちを持って来てくれると尚良いんじゃないかと思います。

今回来てくれたハラさんという方は僕よりも一つ歳下で二八歳です。
北海道では十町歩の蕎麦畑をやっているそうで、
今の時期は仕事がないから、
ウーファーとして全国の農園を見て回っているそうです。
オーシャンは五件目だそうです。

まったくジェレミーとはえらい志の違いです。
という、それぞれの個性はありますけど、
オーシャンはウーファーを歓迎してます。
詳しくはお電話かメールでお問い合わせください。

2014年1月15日水曜日

新しいトイレ

毎週水曜日はオーシャンのミーティングの日です。
毎回参加するメンバーはバラバラですし、
参加人数が少ないときは「今日は無し!」という日もあります。
「ミーティングは二週間に一回ぐらいでいいじゃない?」
という意見が何回も出たりしてますけど、
今のところかろうじて続いてます。

実際話し合うことはたくさんあるんです。
長い間オーシャンには「トイレが少ない」という悩みがありました。
今日はその解決策として、
新しいトイレを作る計画が立ちました。

トイレに加えて、
カヤックツアーのお客さんが何人か同時に、
シャワーを浴びれたり着替えができる、
快適な更衣室もできそうです。

カヤックツアーは4月からはじまりますけど、
春に向けて良い環境が整いそうです。

明日は「満月BAR」です。
素晴らしい生演奏にもなりそうです。
お楽しみに!

2014年1月14日火曜日

タコのトレーナー

昨日は西尾の服屋さんに行ってきました。
よく行くお店なんですけどこの冬ははじめてで、
久しぶりに行くと、
欲しい冬物のジャケットが色々ありました。

しかも今はセール期間中で、
あれは30%オフこれは40%オフと、
買うなら今しかないという雰囲気になりました。
そこで試着してみようと思ったときに僕ははっと気付きました。

「今日はタコのトレーナーを着ている」

僕は上着のウィンドブレーカーの中に、
タコのトレーナーを着ていました。
グレーの生地で、
青い一匹の大きなタコが胸の真ん中にプリントされているものです。

このタコのトレーナーはこないだのクリスマスに、
母親からプレゼントでもらったものです。
このとき僕が包み紙を破ってこのタコのプリントを確認したとき、
「あっトレーナーだー、これは寝巻き?」と僕が聞くと、
「違うわよ、普段着よ」と、
寝巻きにするにはさももったいないという口調で母親は言いました。

僕は「ありがとう、この裏地、起毛で気持ちいいねー」と、
感謝して受け取りました。
実際、裏地が起毛で気持ちいいんです。
「しかしタコって」と僕は思いました。

だから僕がこのタコのトレーナーを普段着では恥ずかしくて着れず、
寝巻きにしかしていないことは母親を悲しませる可能性があるので、
あまり大きな声では言えません。

昨日もちょっと出かけるつもりで、
寝巻きに上着を羽織っただけの格好でした。
服屋さんに行く予定もなかったんですけど、
近くまで来たからと思って寄りました。
このときすでに自分がタコのトレーナーを着ていることは忘れています。

それでいざ店長に
「気になるなら着てみてよー」
と言われて僕ははっと思い出した、という次第です。

上着を脱げば「え、タコ?」ときっと内心思われるだろうけど、
僕は自分がなぜタコのトレーナーを着ているのか、
そのくだりを説明をするのは言い訳がましくてイヤです。
だけど何を言わず、お互いタコのトレーナーにも触れずにお店を去ることで、
ハイセンスな店長の無意識下に、
僕=タコというイメージを刷り込んでしまうことになりそうで戸惑いました。

「おれは料理を仕事にしているからタコのトレーナーは不自然じゃない」
「もしかしたらこのタコのイメージは斬新かもしれない」
「おれは見栄えばっかり気にしてるけど、大事なのは人間性だ」
と様々な自分を肯定する考えも湧きました。

だけど結局、
「もし着たら絶対買っちゃうので、
お金を持ってまた来ます!」
と言って去りました。

僕はその決断で正解だったと思います。
こういう人に会わないからいいやと思ってるときにこそ人と会うものです。
夜、誰もいないはずのオーシャンに物を取りに行くと、
J子店長が仕込みをしていました。
僕はもうそのとき上着を置いてトレーナーだけだったんですけど、
いきなり、

「どうしたのそのトレーナー?
そのトレーナー着て日間賀島に行けばいいじゃん」

と嘲笑を受けました。

2014年1月13日月曜日

休日の掃除

今日と明日はオーシャンお休みとなります。
休みといっても好きなことをすればいいだけの休みならともかく、
「家の片付けをする」という課題がある休みは
仕事日以上に「仕事をしないといけない感」が出ます。

片付けを後伸ばしにして本を読みはじめて一日が終わったら、
自分自信に負けたということになります。
僕は人に負けることは気にならない堕落した性格なので、
競争ということになったら負けっぱなしです。

だけど自分に負けることは許されないという気持ちがあるので、
「家の片付けをする」という仕事は一大プロジェクトです。
三億円の新築工事を受注した現場監督の気持ちで
今日は掃除をしようと思います。

ブルドーザーのように掃除機をかけ、
ダンプカーのようにゴミを運び、
設計士の厳しい視線のようにクイックルワイパーを床に這わせます。

僕が塗装屋の営業マンだった頃、
最も受注金額が高かった物件がマンションの塗り替えで、
たしか三〇〇万円ぐらいでした。
その一〇〇倍の責任感で今日は掃除をしようと思います。
えい、えい、おー!

「えい、えい、おー!」
っていうかけ声は力が抜けますね。

2014年1月12日日曜日

石油ストーブの能力

最近石油ストーブの仕事範囲を広げてます。
やかんを載せて加湿器替わりにするというのが、
最もポミュラーな石油ストーブの仕事ですけど、
それだけに甘んじさせておくにはもったいないと思いました。

あるいは人は、石油ストーブの第一の仕事は、
暖房器具という仕事があるじゃないかと言うかもしれません。
でも実はこの暖房というのは仕事ではなく、
ただ「生きている」だけなんです。

人間だって生きれいれば温かくて、
死ねば冷たくなるわけで、
生きている人は何か仕事をしないといけません。
だからファンヒーターやハロゲンヒーターは一見、
新人類かのように見えますけど、
生物界では一つの仕事しかできないミトコンドリアと同等格です。

最近僕は朝食のパンを生のまま部屋に持ち込み。
この石油ストーブの網のところで焼いています。
たとえばフランスパンなら僕は四スライス食べますけど、
もしこれをトースターで焼いて食べようとすると、
二枚目からだんだん冷たくなってきて、
四枚目を食べようとするときにはラスクのようにガリガリになってます。

その点、ストーブの網では一枚焼いたらまた一枚載せて、
その間にバターとジャムを塗って食べているうちに二分ほどで、
丁度よくまた一枚が焼けます。
カリッとモチッとが四枚通じて食べれる。
その間網の上ではコーヒーも温まった状態です。

朝食だけじゃありません。
昨日はヒガンフグの干物と焼酎が網の上に載っていました。
まず台所で湯のみに焼酎と水を半々に入れます。
水を温めるにもガスコンロは使いません。
ストーブを遊ばせておくわけにはいきません。

皿に干物と柚子胡椒を盛って部屋で一匹炙っては
柚子胡椒をちょっとつけて食べては飲んで、
iTunesでレディオヘッドを聞きながら、
内田樹の『修行論』を読んでました。

ああ、おれはまだまだ修行不足だなーと思ってるうちに酔っ払って、
十時ぐらいに寝てしまいました。

内田樹のいう修行とは、
自分のカラダを鍛えることではなく、
未知なる潜在能力を見出すことだと言ってました。
僕は自分自身の潜在能力はまったく見出せませんけど、
ストーブの潜在能力は見出せそうです。

2014年1月11日土曜日

トマトのアナログとハイテク

昨日はトマトを探しに、
地元のトマト農家さんのところに行ってきました。
太田さんという方で、
脱サラをして農家をはじめて三年半だとおっしゃってました。

オーシャンは四年ですからほぼ同じ年です。
太田さんは最初の頃、
トマトでも何種類か栽培していたそうですけど、
今は大玉一本に焦点を合わせて作っています。

ビニールハウスの中を見せてもらうと、
伸びた蔦がまっすぐ伸びていてきれいです。
白いハウスの中で、
緑色の株の中にぽつんぽつんと赤玉が見えるのが鮮やかです。

僕は去年はじめてミニトマトを育ててみようと思って、
家の外に小さなサンルームがあるんですけど、
そこに十株ホワイトチェリートマトという、
黄色いミニトマトを植えました。

蔓を這わせるために支柱を立てて、
夏前頃から秋にかけて毎日水やりもしていました。
あるていど成長してきたら脇芽を摘まないと
良い実が付かないと教わっていたので、
最初の頃はまじめに脇芽をプチプチつまんでいました。

でも仕事が忙しくなってくると、
ついつい二日に一回見ればいいや、
三日に一回見ればいいやと、
どんどん放置することが多くなりました。

最終的に秋の終わり頃には、
サンルームの中がトマトの蔓という蔓に巻かれて、
この中に一歩踏み込んだら自分が巻き付かれて、
もう出て来れなくなるかもしれないと危機感をもつほどになりました。

その割には実が付かないんです。
実がついていればまだジャングルの中に入ろうと思えるんですけど、
栄養が少なかったせいか、
僕が脇芽だと思って本茎を切ってしまっていたせいか、
実がまったく付かなかったです。

僕にとってのトマト栽培はそんなアマゾン漂流のような経験だったので、
それと比べて太田さんのハウスのなかは整然としていて、
実もびっしり付いていて文明の進歩を感じさせます。
一玉もいで食べさせてもらうと、
汁は少なめで果肉の多いトマトでした。
サンドイッチとかハンバーガーにもってこいのトマトです。

太田さんの悩みは水と収穫量のバランスだと言ってました。
水分を少なくすればトマトはもっと甘くなる。
だけど収穫量が悪いときには半減してしまう。
いくら甘味の強いトマトでも二倍の値段ではなかなか売れないので、
この案配が難しいそうです。

今年はもう一軒ビニールハウスを建てて、
土を何種類か調合して、
地植えで栽培をするそうです。

既存のハウスは水分も肥料もタイマーで、
勝手に稼動するハイテクな感じでしたけど、
今度はアナログに移行していくそうです。

トマトの向上を目指す方がいて嬉しいです。
僕はもうトマトは諦めるので。

2014年1月10日金曜日

ジャムを作る秘訣

今日はみかんジャムを作りました。

オーシャンは今みかんまみれです。
みかんジェラート、
みかんパウンドケーキ、
みかんスムージー、
ホットみかんジンジャードリンク。

みかんジャムは初の試みで、
まだ味見をしていないので出来映えが分かりません。
明日ちゃんと冷えた状態でトロみ具合と酸味をチェックして、
仕上げをしようと思います。

それでもまだまだ、
収穫したみかん箱が積み重なっています。
明日はみかんをどうしたらいいんだろう、
と考えながら帰る日が続いています。

と、そうはいうほど考えてもいません。
今日はヒマだったからみかんジャムを作ったわけです。
ヒマだったからみかんがたくさんあることに気付き、
ヒマだったから何かまだやってないことをやろうと思った。

忙しいと腐らしちゃったりもします。
だからヒマっていうのは創造力の源ですね。
ヒマがなかったらこのみかんジャムも生まれてこなかったし、
ヒマじゃなかったらこのブログも放棄していたかもしれない。

ちなみに僕のみかん大食い記録は小学生高学年の頃で、
僕VS妹のときに14個食べました。
妹は確か8個ぐらいで僕は勝ったんですけど、
その翌日と翌々日は下痢に苦しみました。

2014年1月9日木曜日

ベリーズの太鼓

ベリーズ旅行のお土産に太鼓を買いました。
僕が二年前にハワイ旅行に行ったときに、
宮本さんが太鼓を買ってきて欲しいと言いました。
だけどハワイではこれといったものが見つからず、
話しはそのままになっていました。

この太鼓はベリーズのキーカーカー島で買ったんですけど、
この島で作られたものでないことは分かりました。
ベリーズで作られたものであるかも分からない。
だけど一応太鼓の筒の部分に「BELIZE」と彫ってある。
それを20USドルで買いました。

日本に帰ってきてすぐその太鼓を持って行きました。
宮本さんはしばらく太鼓を叩いて言いました。

「あの、ランク付けにAランクCランクとかって言うでしょ。
この太鼓はずばり言って、Zランクだね」

すさまじく低評価を受けました。
太鼓を叩いて見せてくれましたけど、
皮に張りがなくて良い音がでない。

いや、僕もそう思ったんです、お土産物屋で。
でも僕は楽器に関しては無知で、
音感も無いから自分を信じていませんでした。
せっかく二年越しに見つけたわけだし買っていこうと、
かさばる荷物も省みずリュックに詰めました。

それがZランクという結果です。
挙句のはてに宮本さんは言いました。

「たぶんこれバリで作られた太鼓だね」

2014年1月8日水曜日

近くの菜種油

昨日は西尾市の[純粋菜種焙煎工房 ほうろく屋]さんから
菜種油が届いてまして、
早速ピザに使って試食しました。

愛知県産の菜種純度100%の油は緑がかった黄金色で、
舐めてみるとその甘味とコクが分かります。
それでいて後を引かない軽さがある。

油は毎日の料理で欠かせないものです。
こんなに毎日使うものだから外国から取り寄せるよりも、
近場で新鮮なものを使えたらいいなと思ってました。

ピザには、
というかイタリア料理にはオリーブオイルと相場が決まってますけど、
それはイタリアで出来る油はオリーブが一般的で、
一番手に入りやすかったからオリーブオイルっていうことですよね。

油はできるだけ、
近くで作られたものを使ってみたいです。
それで料理に合えばいうことはないし、
ちょっと違うなと思えばまた出会うまで遠い異国のものを使っておく。
そんなふうにして土地固有の味わいを追求していきたいです。

2014年1月7日火曜日

トラ柵模様のポストイット

年末に二週間日本を離れていて、
まだいつもの生活リズムに戻ってません。
ブログを書く時間もバラバラになってます。

僕は「早くやったほうがいいリスト」があって、
ポストイットに一つ一つ書いて
目の前のiMacのディスプレイにぺたぺた貼ってます。
それが横一列蛍光色のポストイットだらけになっていて、
トラ柵模様のガードレールみたいになってます。

その中で最も僕が差し迫っていると感じているのは、
「手紙を書く」というものです。
これは複数人に宛てて書かないといけないものです。
クリスマスプレゼントをくれたアメリカの祖父とそして祖母、
それから遠い親戚。

お礼の言葉を伝えねばいけません。
その気持ちは正真正銘の気持ちで、
嘘偽り無い感謝ですけど、
ブログは書けてもなかなか手紙が書けません。

なぜか。
それはめんどくさいという気持ちが僕にあるからです。
感謝の気持ちはあるけめんどくさい。
もし頭痛を抑えるアスピリンみたいに、
めんどくさいを抑えるキビキビスルピリンみたいな薬があったらなー。
名前はなんでもいいですけど、
絶対僕は常用者になりますよ。

とりあえず、まずはビールを飲みます。
家に帰ってきてまず僕がすることは、ビールを飲むことです。
後のことは後から考えます。
それじゃみなさん(ゴクゴク……)にとっても、
平和な夜でありますように、プハー。

2014年1月6日月曜日

ベビーカーの忘れ物

一ヶ月ほど前のことです。
夜、店を閉めようとウッドデッキの片付けをしていたら、
ベビーカーがテーブルの横で、
月明かりに照らされていました。

赤ん坊は乗っていません。
無人のベビーカーです。
僕はベビーカーの忘れ物をはじめて目にしましたけど、
夜の人気の無い場所で見ると別のものに見えます。

心霊的な怖さがあります。
テーブルの台を拭いているとはっと気配を感じ、
横を見るとベビーカーと目があって(そんな気がして)、
ビクッとします。

基本的にベビーカーとは忘れる物ではないと僕は思ってました。
しかしこれは明らかに忘れ物です。
傘、膝掛け毛布、携帯、カバン、こういった忘れ物群の中で、
ベビーカーは歴代で一番大きい忘れ物です。

オーシャンには忘れ物BOXというダンボール箱がありますけど、
これには入りません。
入ったとしても底が抜けるので入れませんでした。
なのでピッツェリアの店内に折り畳んで立てかけておきました。

すぐに連絡があるか取りにみえるかと思っていたので。
しかし年末がきてとうとう年が明けました。
「もうこれは取りにこないよね、片付けようか」
と話しをしたのが一昨日の仕事はじめでした。
ところが昨日、とうとう持主が現れました。

夫婦で、子供はその腕に抱かれてました。
夫婦は二人そろって口をあっと開けてベビーカーを指差し、
僕もあっと思ってベビーカーを指差しました。
子供は口を開けて「あうー」と言ってました。

家族でピザを食べている間子供はよちよち歩いていました。
ベビーカーがない間に脚力が付いたようです。

2014年1月5日日曜日

石油ストーブ着火

今日は年明け最初の営業日でした。
準備をしたと思っていてもいざ当日はじまると、
あれもやってなかったこれもやってなかったと、
準備不足だったことに気付きます。

過信とはこういうことを言うんですね。
自分は「やってる」とか「できてる」と思ってしまう。
ぬかり無しと思ってたけど、
ぬかりは色んなところにあった。

隠された落とし穴です、ぬかりは。
落ちてからでないと気付かないですね。
それから落とし穴が深いと中々出て来れないです。

今朝の最大の落とし穴は、
石油ストーブを点火するためのライターのガスが切れたことです。
もう一週間も前からライターの点きは悪くなってたんです。
だからいつガスが切れてもおかしくなかった。

しかし僕は、ライターはまだもつし、
「またどっかのタイミングでライター買っとこ」と思ってた。
でもライターはもたなかったし、
買うことも忘れてた。

それで今朝とうとうライターの寿命が尽きました。
この最後のライターさえ家中探して見つけたライターなので、
もうほんとにこれっきりのライターです。
僕は台所で紙切れに火を点けて、
その燃えている紙を10メートルもって走りました。

走ったら火が消えて、
ゆっくり歩くと指が焼けそうになりました。
だから自分で息を吹いて消しました。
三度目の往復でやっとストーブに火を点けることができました。

三〇分もしたら家を出ないといけないのに。
ぬかるな、とストーブで暖まって自分に言い聞かせる朝です。

2014年1月3日金曜日

ピンクアイ

英語でピンクアイは目が充血した状態を言います。
日本では聞いたことないですけど、
目に屁を受けると充血すると言われていて、
こんな嫌がらせがあります。
「おい、あいつの枕に屁をこいてピンクアイにしてやろうぜ」

2014年1月2日木曜日

機内食のピザ

サンホゼ発のロサンゼルス経由で、
元旦の夜に日本に到着しました。
ロスで11時の便に搭乗したとき、
六時間後に日付変更線をまたいで年越しだと言ってました。

何年か前僕の母親が大晦日のフライトに乗ったとき、
クラッカーを持って搭乗しようとしたんですけど
持ち物検査で没収されたそうです。
損害賠償で一家が破綻するところでした。

六時間後、飛行機の中は寝静まっていました。
僕は小さなディスプレイでバックギャモンをやっていました。

年越しの思い出は、
機内食でピザが出たことです。
アメリカと日本は何度も往復してますけど、
ピザが出たのはこれがはじめてです。

サイズは文庫本を楕円形にしたぐらいのピザです。
甘いトマトケチャップとチーズだけの、
パンがふかふかしたパン屋さんのピザという感じです。
機内食のもう一つの選択肢は
スライスチキンとライスだったんですけど、
僕はスチュワートが十列ぐらい前にいるうちからピザに決めました。
チーズがたくさん載っていて、
その前に機内食で出たミートボールよりはよかったです。

あけましておめでとうございます。
僕にとって今年はピザにはじまりピザで終わった一年で(大晦日もピザ)、
元旦も雲の上でまたピザではじまることになりました。
振り返れば失敗がたくさんありますけど、
良いピザが焼けるように今年もがんばります。
また食べにきてください。

家についてすぐ酵母を仕込みました。
今日一日発酵させて、
また一晩寝かせます。
それから生地を捏ねて一日発酵させたら焼けるようになります。
四日からの営業準備をちょっとずつはじめています。