2014年1月17日金曜日

ハワイ土産のフラダンサー

最近偽装のニュースをよく聞きます。
偽装は悪いことです。
だけど世の中にはうやむやにしといたほうが
いいんじゃないかということもあると思います。

小夜子さんがハワイのお土産を買ってきました。
「HAWAII」と印字されたフラダンサーの栓抜きです。


こてこてのハワイ土産です。
足下にも「HAWAII」という印字がある。
もうハワイ以外の何者でもありません。


ところが引っくり返して裏を見ると
(アングルがフラダンサーの彼女に申し訳ないですけど)、
当然このシールが張ってあります。
「MADE IN CHINA」


それはもう、チャイナだってことはだいたい分かりますよ。
だけどハワイ、ハワイ、とここまで押しといてチャイナっていうのは、
風流も何もないな!と思います。
(栓抜きに風流はなくてもいいんですけど)

ハワイ、ハワイ、ときてお土産をもらった方の心理としては、
「ああ、ハワイに行くとこんなフラガールが出迎えてくれるんだよなー」
とパラダイスを想像します。
青い海、赤いハイビスカス、緑のヤシの木、
そんなカラフルな光景がまぶたの裏に映る。

というところで栓抜きをしみじみ観察していて、
このチャイナシールを発見すると、
それまでの想像のパラダイスが瞬く間に北京スモッグに覆われます。
いや、なにもチャイナが悪いということじゃないです。
チャイナは世界の工場で求められるものを作るから、
求められるかぎり存在するっていうことですからね。

だけどもうちょっとどうにかして、
パラダイスを継続させてくれるようなやり方はないもんかと思いました。

確かに「うやむや」ということは人の怒りを買うことが多いです。
「そんなこと聞いてないよ!」
というような怒りになります。

僕だってこないだベリーズで買った太鼓をお土産で持って帰って、
オーシャンで一番太鼓に詳しい宮本さんに渡したら即、
「これはバリで作られたやつだね」
と指摘されたときはヤラレタと思いました。
「おい、これは詐欺か!?」と、
「おれの20ベリーズドル返せ!」と思いました。

そんな詐欺感はありますけど、
ちょっと時間が経つと心の奥のどこかで
「あれはベリーズのものさ」と思うようになってます。
だって「◯◯産」ということが一言も書いてないですから。
むしろ太鼓にでかでかとBELIZEとペイントしてあります。

僕はしばらくの間こういう「うやむや感」にアンテナを張ってます。
ずっとうまく言葉にできないことですけど、
グレーゾーンを白黒はっきりさせていくことばっかりが
いいことでもないんじゃないか、という考えです。

偽装は言うまでもなく悪いですけど、
「うやむや」は笑いや想像を引き起こしたりします。
ということをこのフラダンサー栓抜きを見て思いました。

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