一ヶ月ほど前のことです。
夜、店を閉めようとウッドデッキの片付けをしていたら、
ベビーカーがテーブルの横で、
月明かりに照らされていました。
赤ん坊は乗っていません。
無人のベビーカーです。
僕はベビーカーの忘れ物をはじめて目にしましたけど、
夜の人気の無い場所で見ると別のものに見えます。
心霊的な怖さがあります。
テーブルの台を拭いているとはっと気配を感じ、
横を見るとベビーカーと目があって(そんな気がして)、
ビクッとします。
基本的にベビーカーとは忘れる物ではないと僕は思ってました。
しかしこれは明らかに忘れ物です。
傘、膝掛け毛布、携帯、カバン、こういった忘れ物群の中で、
ベビーカーは歴代で一番大きい忘れ物です。
オーシャンには忘れ物BOXというダンボール箱がありますけど、
これには入りません。
入ったとしても底が抜けるので入れませんでした。
なのでピッツェリアの店内に折り畳んで立てかけておきました。
すぐに連絡があるか取りにみえるかと思っていたので。
しかし年末がきてとうとう年が明けました。
「もうこれは取りにこないよね、片付けようか」
と話しをしたのが一昨日の仕事はじめでした。
ところが昨日、とうとう持主が現れました。
夫婦で、子供はその腕に抱かれてました。
夫婦は二人そろって口をあっと開けてベビーカーを指差し、
僕もあっと思ってベビーカーを指差しました。
子供は口を開けて「あうー」と言ってました。
家族でピザを食べている間子供はよちよち歩いていました。
ベビーカーがない間に脚力が付いたようです。
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