2014年1月6日月曜日

ベビーカーの忘れ物

一ヶ月ほど前のことです。
夜、店を閉めようとウッドデッキの片付けをしていたら、
ベビーカーがテーブルの横で、
月明かりに照らされていました。

赤ん坊は乗っていません。
無人のベビーカーです。
僕はベビーカーの忘れ物をはじめて目にしましたけど、
夜の人気の無い場所で見ると別のものに見えます。

心霊的な怖さがあります。
テーブルの台を拭いているとはっと気配を感じ、
横を見るとベビーカーと目があって(そんな気がして)、
ビクッとします。

基本的にベビーカーとは忘れる物ではないと僕は思ってました。
しかしこれは明らかに忘れ物です。
傘、膝掛け毛布、携帯、カバン、こういった忘れ物群の中で、
ベビーカーは歴代で一番大きい忘れ物です。

オーシャンには忘れ物BOXというダンボール箱がありますけど、
これには入りません。
入ったとしても底が抜けるので入れませんでした。
なのでピッツェリアの店内に折り畳んで立てかけておきました。

すぐに連絡があるか取りにみえるかと思っていたので。
しかし年末がきてとうとう年が明けました。
「もうこれは取りにこないよね、片付けようか」
と話しをしたのが一昨日の仕事はじめでした。
ところが昨日、とうとう持主が現れました。

夫婦で、子供はその腕に抱かれてました。
夫婦は二人そろって口をあっと開けてベビーカーを指差し、
僕もあっと思ってベビーカーを指差しました。
子供は口を開けて「あうー」と言ってました。

家族でピザを食べている間子供はよちよち歩いていました。
ベビーカーがない間に脚力が付いたようです。

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