2015年2月17日火曜日

ラジオヘッド

ラジオのある生活が豊かです。
ラジオのない生活を思うと寂しくなります。
ラジオを聞き始めてから、そう思い始めました。

ぼくとラジオの生活はまだ長くありません。
ぼくの母親はラジオファンだったけど、ぼくはずっと興味ありませんでした。
母親は、Zipはジェイムス・ヘイブンスがうるさいからと言って、
FM愛知を聞くことが多かった。

ぼくがラジオを聞き始めたのは、ハタチを過ぎてからです。
聞き始めたと言っても音楽に聞き飽きたとき流していただけですが。
そんなときジェイムスが喋っていたりすると、
「すごいなー、よくこんないい加減なことを口走れるもんだ」と思った。
ジェイムスの軽薄な口調はすごい才能だなと思います。

だけど母親は好みじゃないらしく、音楽の最中にジェイムスの声が割って入ると
「邪魔をしないで!」と家事をしながら一人で文句を言っていた。
それに、彼がよく鳴らすパンチの効果音も暴力的だと言って、
クレームのFAXを送ったこともあった。

「DO NOT PUSH THE PUNCH BUTTON!!」

と、マジックで大きく殴り書きした紙で。
どっちが暴力的なんだと思いますけど、
ぼくの母親は平和主義者でクレーマーという、
メディア側からすると最もタチの悪いリスナーです。

ぼくが意識的にラジオを聞きはじめたのはPodcastです。
最初は三谷幸喜と清水ミチコの『MAKING SENSE』でした。
どこでこの番組を知ったのか記憶にありませんけど、
二人のやり取りがただの世間話しなのにセンス溢れる感じに感銘を受けて、
でも数ヶ月聞いているうちに番組が終わってしまった。

これでしばらくPodcastからも遠ざかったんですけど、
『バイリンガル・ニュース』という番組が面白いと
何人からか教えてもらって聞きはじめた。
英語や日本語を勉強したいリスナーが多いのかもしれないですけど、
ぼくは取り上げるニュースの題材が好きなのと、
マイケルとマミの裏表無いストレートな言葉が違和感なく聞けるのが良いです。
この番組は聞きはじめて一年以上経ちます。

その番組で知った『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』も聞きはじめた。
(そもそも『バイリンガル・ニュース』は太田光が番組で話題にして
火が点いたこともあるみたいですけど、ぼくは逆だった)
それまで爆笑問題が特別好きだという感じもありませんでしたけど、
聞いてるうちに「爆笑問題面白い」に変わってきました。
ラジオって親近感が湧きやすいんですかね?

そしてここ最近聞きはじめたのは『ラジオ版 学問ノススメ』です。
パーソナリティを務める蒲田健という人の声がとんでもなく渋い。
あんまり声が低いので「ガマノケンです」としか聞こえない。
学問ノススメのおすすめどころは、
色んな分野の人にインタビューをするところで、
今まで知りもしなかったような人物のことを知れる。
養老孟司や内田樹のような大御所から、
川村元気や羽生善治のような若くしてその道を極めて活躍してるような人や、
酒を飲むことが仕事のような酒場詩人・吉田類まで。

その中の一つのエピソードでジャズサックス奏者でミジンコ研究者の坂田明が
どうしてミジンコ研究者になったのかというくだりで、
金魚の餌として育てはじめたら逆にミジンコに愛着が湧いて観察をはじめたなど、
どう転んでその人物がその仕事に行き着いたという話しは面白かった。

そんな番組を、ここ最近聞いてます。
朝食を用意するとき、
一人でピザ生地の仕込みをするとき、
車に乗っているとき、
ラジオを流しているぼくは、すっかりラジオヘッドです。

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