2015年3月7日土曜日

スマートで引越し

引越しをしました。
新居で三泊目ですけど荷物がまだ半分ほどしか運べていません。
幡豆から平坂町への引越しです。
時間的には三十分弱でしょうか。
引越し業者に頼むほどでもないと自分で運んでいるんですけど、
smartで引越しはするもんじゃないです。

「Micro Car Corporation」社のsmartはコンパクトカーだけあって
ほんとうに小さいです。
そこらの軽自動車よりもさらに小さい。
二人乗りで、荷台のトランクもスーツケースが一つ乗るていどです。

すでに四往復していますけど、
きっとハイエースみたいなワゴン車なら一回で済むと思います。
しかし始めたからには、
最後までsmartで貫徹したい、そんな意地みたいなものも出てきます。
smartでスマートとは言えない引越しをする。
ここにぼくはやりがいを感じてます。

ところで、素早い引越しがスマートかというとそうでもありません。
ぼくは今回で七回目の引越しですけど、
東京から西尾に戻ってくるとき引越し積荷時間は四時間で全て終えました。

ぼくが夜な夜な引越し作業を決行した前日のことです。
営業の仕事をしていたぼくは会社に仕事に行って、
通常通り午後七時に業務を終えて帰ろうとしました。
そこで上司であるマダラメ課長に呼び止められました。

「この会社はもう潰れる。
もしお前がこのまま残るなら、
部長はお前にサラ金で金を借りてきてほしい趣旨のことを言う。
なぜなら、お前以外にこの会社のほかの人間はみんな(七人)
もうすでにサラ金で目一杯借りていてこれ以上は無理だからだ。
どのみち、お前が借金をしてきたところで、
この会社は持ったとしても一、二ヶ月だ。
おれの言うことを信じろ。
明日、通常通り出勤しろ。挙動不審な態度はぜったいに見せるな。
そしていつも通り仕事を終えたらアパートに戻って、
その夜のうちに実家に帰れ」

ぼくはその通り実行しました。
基本的にぼくは、マダラメ課長の言うこと全てに従うことにしていました。
サラ金に行ってこいと言われたら限度額まで借りていたと思います。
だけどぼくはその代わりにジャパンレンタカーでワゴンを借りて、
北区王子のアパートの前に駐車し、夜の九時から積荷をはじめました。
掃き掃除までして深夜の一時に終わりました。
首都高から東名高速に乗って夜明け前に岡崎インターを下りました。
このときぼくの全財産は残り500円ほどになりました。
お金が足りなくなるのが怖くて、
晩ご飯を食べるためのサービスエリアにも寄れませんでした。
西尾の実家に着いたのが早朝五時頃です。
ぼくは休む間もなく荷物を全部降ろし、
また岡崎まで戻りジャパンレンタカーの支店で車を返しました。
ガソリンを満タンにするお金は母親に借りました。
何もかも終わって風呂から出たのが朝の八時です。
ぼくは明るい日差しが差し込んでいるはずの寝床に崩れ落ちると、
長い暗闇の中に沈みました。

今回のsmartによる引越しも一回きりでいいですけど、
この東京から実家へ戻ったときの引越しも二度と経験したくありません。

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