2013年8月27日火曜日

古川公園怪談

最近僕が不思議現象にはまっていることを
スタッフのたいちくんは知っていて、
友達の話しを僕にしてくれた。

「この話しは友達から聞いたことだから、
ほんとかどうか分からないんだけど、
おれはほんとだと思ってる。
当時中学生ぐらいの頃、
その友達はかなり真剣な顔で言ってたからね。

その友達のお婆ちゃんがいつもの習慣で、
西尾市の古川公園に雨上がりに散歩に出かけた。
その河川敷の散歩道を歩いていると、
犬の吠える声が聞こえてきた。
ふと見ると公園の芝生地帯に人が倒れていて、
忠実そうな日本犬がその人の周りを
ぐるぐる回ってたんだ。

ちなみにその犬はアンマンマっていう名前で、
腹を空かした拾い犬だったんだけど、
ご飯をあげたときに「よしよしたっぷり食べろよ」
と言うと、
口をもぐもぐさせてそれでも返事をしようとして
「アンマンマ」と言ったことに由来するそうだ。

そのアンマンマは倒れた飼い主の周りを、
どうしたらいいのか分からずぐるぐる回りながら、
たまに止まって悲しそうに吠えた。
そこにお婆さんが通りかかった。

その倒れた人に近付くと、
フルチンで仰向けに伸びた男だったことが分かった。
「この人は素っ裸で何をしてんだね?」
とお婆さんは思ったらしい。

朝の雨上がりで日射しが出てきていたけど、
その男はカラダが濡れてびたびただった。
明らかな異変に、
お婆さんは近くの人を呼び止めて救急車を呼んだ。

その後数日経ってから、
お婆さんの家にその男がアンマンマと共に
菓子折りを持ってやってきた。
男はこう言った。

『実はその日早朝に散歩に出たんです。
雲行きがちょっと怪しいなと思ってたんですけど、
雨でも休まず
アンマンマと共に散歩をするのが日課で。
それで公園を歩いていたら
ゴロゴロ雷の鳴るのが聞こえてきました。
あ、これは一雨来るぞと思って
リーシュを離したアンマンマを連れて帰ろうとしました。

アンマンマに近付いたその時です。
普段は大きな声なんてたてないアンマンマが
〈ワン!〉と吠えました。
僕はびっくりして立ち止まりました。
空がゴロゴロ鳴っていました。
ピカッと光ったかと思うと、
丁度僕とアンマンマの間に雷が落ちました。
地面に落ちたのが分かりました。
でもその雷が地面を跳ね返って、
僕のほうに飛んできたんです。

〈パ、パン!〉

と音がして、そこで僕は気を失いました。
気付いたら病院にいました。
図にすると、
雷はたぶんこういうふうに落ちてきたんですね。

↘↗
パ、パン。

というふうに。
それでその跳ね返りの雷を受けて、
たぶん僕の服が全部破れ割かれて、
吹っ飛ばされたんですね。

でもほんとにもう一歩踏み出していたら、
僕は直撃だったわけですから。
アンマンマは危険を察知したんですよね。
今回はこいつが助けてくれたんです。
うーよしよし』

頭をなでられて舌を出したアンマンマは、
へっへっへと嬉しそうな顔でヨダレが垂れそうだった。
と、こういう話しなんだけど、
どう?信じる?

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