2014年2月2日日曜日

インド映画の非合理的アクション

『ムトゥ 踊るマハラジャ』を見ました。
僕はインド映画には詳しくないです。
見たものと言えば『スラムドッグ$ミリオネア』と
『きっとうまくいく』ぐらいですけど、
心にグサッと「インド映画を見た」という印象が突き刺さりません。

だけど『ムトゥ 踊るマハラジャ』は、
「インド映画を見た」というものが刺さってきました。
なぜなんだ?
1995年公開で画質がちょっと悪いからそう思うのか?
それとも20年ちかく前のジェネレーションギャップがあるのか?

そうじゃない。
そんなことじゃないんです。
もっと決定的なことなんです。
そもそも、これが「インドらしさ」なのかどうかは分かりません。
しかしこれはハリウッドでもなければジャパンでもない。
「だとしたらインドだ」という消去法です。

馬車のアクションシーンがある。
この映画には前半と後半の間にハーフタイムがある。
その前半の中盤の後半辺りの部分です。
いや、ちがうかな。
後半の前半の中盤を過ぎた中頃だったかな?

とにかく、馬車のアクションシーンがある。
主人公のムトゥとヒロインのランガが馬車に乗って、
追手から逃げるシーンです。
悪者が数十台の馬車で追いかけてくる。

平原を走っています。
ムトゥが操る馬車は速く、追手はなかなか追いつけない。
そのカーチェイスのような馬車チェイスで敵が脱落していくんですけど、
驚く、というか「え?何が起きてるんだ?」と目を疑う。

平原を突っ走る敵の馬車が、
茂みに突っ込むと敵は投げ出され、馬車は吹っ飛びバラバラになる。
それは“ただの小さな茂み(ブッシュ)”なのに。

ムトゥが敵に向かって藁を投げつける。
藁をぶつけられた敵の馬車はバラバラになって吹っ飛ぶ。
それは“ただの藁”です。

近付いた敵の馬車がムトゥの馬車に飛び乗ろうとすると、
紛れ込んでいたコブラを見つける。
驚いた敵は馬車もろともに吹っ飛んでバラバラになる。
それは“ただヘビを見ただけ”なんです。

最初は「敵をやっつけてるなー」と普通に見てたんですけど、
途中からちょっと意味が分からなくなります。
藁をぶつけただけで人を吹っ飛ばせる設定ってなんなんだ?と。
だけど同時に、
これがもしかしてインド映画というものなのか?ともふと思った。

それがただの小さな茂みでも、
それがただ藁をぶつけただけでも、
それがただヘビを見ただけでも、
彼ら(敵役)は彼らのカルマに従っただけなのだ。
倒される方法が例えどれだけ非合理的であっても、
倒されるものは倒される。

そういうことか?
なんにせよ踊るマハラジャ面白かったー。

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