2012年6月2日土曜日

ポリッジ

ぼくの家では昔から朝食にオートミールが出ました。
でも小さい頃、
この牛乳で食べるポリッジ(お粥)は好きじゃなかった。

それで長い間食べてなかったんですけど、
しばらく前にアイルランドに旅行に行ったとき、
泊まったホテルの朝食でこのポリッジを久しぶりに食べました。

このホテルはコーク州のブラーニーという小さな町にあって、
目の前がブラーニー・キャッスルという砦みたいな城がある場所でした。
二階建ての小じんまりした建物で、
一階がパブとレストランで、
上の階が客室という作りになっています。

ぼくはここに三泊したんですけど
何が楽しかったって、
朝食ほど楽しいことはなかった。

朝食なのにコース料理みたいなメニューがあるんです。
朝食が10品ぐらいあって好きなものを選ぶことができるんです。
それがどれも豪華でした。
フルーツの盛り合わせはリンゴにメロン、オレンジなどが大皿でくるもの。
ホットケーキにベーコンを載せてシロップをかけたもの。
ドライフルーツのシリアルとヨーグルトのセット。

こういうものが順番に運ばれてきて、
最後に何の注文もせずにライ麦の食パンが出てきます。
それも5枚か6枚かのスライスが食パン置きに並んでくる。
さすがにこのときにはもうお腹も一杯ですから、
一枚もらってそれで終わりしました。

こういうメニューの中に「ポリッジ」が単体であったのです。
他のメニューはカラフルな名称が並んでるのに、
ポリッジは「ポリッジ」だけです。
飾り気も商売っ気も何もないただの「porridge」。

最後の日までこれは頼みませんでした。
三日目にぼくは体調が悪くなって、
そこでポリッジを一品だけ頼んだのです。

蓋付きのお椀で運ばれて、
開けると湯気を立てて牛乳に煮詰められたオートミールが現れます。
好きな量の砂糖、バター、ナッツを加える。
調子の悪い胃にも優しくて
これがおいしかったです。

それから日本に帰ってぼくはすぐに、
クエーカーのオートミールを注文しました。
今では朝食に欠かせないです。

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