2012年6月19日火曜日

不気味な老人メイク

『J・エドガー』を見た。
おじいさんディカプリオはともかく、
相棒のおじいさんは高齢者になるための特殊メイクで、
夢に出てきそうなぐらい不気味な顔です。

男同士のつかみ合い殴り合い、
そしてもみ合いながらメンズトゥーメンズのキッスからハグへ。
中盤でようやくゲイ映画だということが分かりました。
「おれの前で絶対に女の話しはするな!」
という相棒の怒りがつかみ合い原因です。

アメリカ映画といえばヒーローものですけど、
この映画はヒーローになろうとしてるけどなれないストーリー。
主人公の欠点にスポットを浴びせている。
脇で登場するキング牧師とかアメリカ歴代大統領がヒーローで、
ディカプリオ演じるエドガーは、それをこき下ろそうとしたり、
悪事が何かないか探すための裏工作をする。
友だちも彼女もいない、完全な仕事人間。
信用できるのは、愛するママとゲイだということを知った相棒だけ。

ヒーロー映画もスカッとしておもしろいけど、
ヒーローになれない映画のおもしろさがあります。
サクセスストーリーというのともちがう。
年老いていくごとに苦労が積み重なって、
若いときは無茶をやっても乗り切れたのに、
段々と無茶が通じなくなってくる。
バリバリな若者時代と、プルプル震える年寄り時代。
これが交互に切り替わる対照的な人間の動き。

主人公は「良い人間」ではないけど、
なぜか情が湧いてしまう感じがある。
ママが死んで、泣きながらママの服で女装するのは、
よっぽど変な人だったんだなとも思うけど。

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