『J・エドガー』を見た。
おじいさんディカプリオはともかく、
相棒のおじいさんは高齢者になるための特殊メイクで、
夢に出てきそうなぐらい不気味な顔です。
男同士のつかみ合い殴り合い、
そしてもみ合いながらメンズトゥーメンズのキッスからハグへ。
中盤でようやくゲイ映画だということが分かりました。
「おれの前で絶対に女の話しはするな!」
という相棒の怒りがつかみ合い原因です。
アメリカ映画といえばヒーローものですけど、
この映画はヒーローになろうとしてるけどなれないストーリー。
主人公の欠点にスポットを浴びせている。
脇で登場するキング牧師とかアメリカ歴代大統領がヒーローで、
ディカプリオ演じるエドガーは、それをこき下ろそうとしたり、
悪事が何かないか探すための裏工作をする。
友だちも彼女もいない、完全な仕事人間。
信用できるのは、愛するママとゲイだということを知った相棒だけ。
ヒーロー映画もスカッとしておもしろいけど、
ヒーローになれない映画のおもしろさがあります。
サクセスストーリーというのともちがう。
年老いていくごとに苦労が積み重なって、
若いときは無茶をやっても乗り切れたのに、
段々と無茶が通じなくなってくる。
バリバリな若者時代と、プルプル震える年寄り時代。
これが交互に切り替わる対照的な人間の動き。
主人公は「良い人間」ではないけど、
なぜか情が湧いてしまう感じがある。
ママが死んで、泣きながらママの服で女装するのは、
よっぽど変な人だったんだなとも思うけど。
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