簡単な付き合いじゃわからない。
友だち同士だからこそ簡単には気付かない。
曲者というのは、
仕事や旅や恋愛など長い時間行動を共にして発覚する人間像です。
感情的になったりして人の本心がさらけ出る状況になったとき、
はじめて「曲者」だと分かる。
(あれ?普段と言ってることがちがうぞ)みたいな。
(なんだ?いきなり爆発したぞ)みたいな。
そういう過程を踏んでついに、
「あいつはなかなかの曲者だぞ」となる。
言っていることがちがったり、
突然爆発したりするということは、
心の天井裏にこそこそ忍び寄るものがあるから
何かのきっかけで噴出するのでしょう。
それだけなら「心の不安定さ」ということになるんでしょうけど
それとはちがう(ちがうと思う)。
だって
曲者は周りの仲の良い人たちを巻き込んでいくからです。
曲者に巻き込まれた人たちは、自分たちサイドが正論を握っていると思ってる。
明智光秀みたいに。
でも明智光秀とその共謀者たちにどんな大義があったとしても、
明智光秀こそTHE曲者だと見られます。
そしてそれが曲者の損なところじゃないですか。
たとえ彼の言うことや爆発が正論だったとしても、
相手をする人にとっては「何やつ?曲者だー!であえであえー!」になる。
天井裏から躍り出てきても、
ふつう穏やかな話し合いでは済みません。
やるか、やられるかで、血は免れない。
そういう曲者には共通する表情があるかもしれない、
「曲者顔」はいるかもしれない。
曲者が起こした事件をウワサしていると(ウワサっていうとこっちも十分な曲者ですね)、
そんな方向に話しが転がったのでした。
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