2012年8月31日金曜日

マサル(番外編①)

ケツキックが昔流行ってました。
肩パンチとか、デコピン、ぞうきん絞りなど、
肉体的ダメージを罰ゲームにする遊びが、
十代の頃は盛んでした。

いつの間にか二十代後半ですけど、
そういうバイオレンスな罰ゲームがなくなりました。
なぜだ?
ちょっとは理性が芽生えたのかもしれません。
いや、それはなさそうです。
答えは僕の周りから「マサル」がいなくなったからです。

マサル。
恐怖のデブ破壊王。
買って一度しか来ていない犬の絵が描いてあるジャージを、
マサルは僕から強奪しました。
こんな服を自分が買ったなんて言うのも恥ずかしいことですけど、
上下で二万円もしたチンピラファッションです。
サイズはXL。
僕はダボダボにだらしなく着こなそうと思ってました。

それを買った初日にマサルに見られました。
マサルは力士張りの低音で、二重あごを震わせて言いました。
「おー、それいいなー。ちょっと貸してくれよー」
貸してくれよイコール、ジ・エンドです。
ジーザスクライス。

何も言うまい。
だって、何が言えますか高校生の僕に。
相手は十近く年上で、しかもその兄はモノホンのYAKUZA。
ちなみに英語で、
ジャクゥージ(泡風呂)とヤクゥーザは発音が似ています。

それはさておき、
それから数日後マサルに遭遇すると案の定、
彼はまるでそれを自分のものでもあるかのように着ていました。
残念ながら、自分のもののように着てはいるが、
明らかに彼の肉体はサイズオーバー。
XLのジャージがアルトバイエルン並みのプリプリ感。

僕は何を書こうとしていたのかというと、
ケツキックや肩パンについて書こうと思ったんですけど、
それはまたにします。
ともかくジャージを取り上げられてラッキーだと思うことにしました。
だいたい犬の絵のジャージって、どんなセンスだ?

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