2012年8月5日日曜日

お世話人

「次男で、西尾在住で、マスオさんオッケー?
完璧じゃん!」
と、Kちゃん。
Kちゃんは姉のフィアンセを真剣に探している。
姉はオフィスの仕事以外で外に出ることもなく、
男の気配をまった感じさせないまま三十路を過ぎたらしい。

「電話すれば、ぜったい捕まるもん」
Kちゃんは新婚で最近家を出たけど、
実家に電話すれば、姉はほぼ間違いなく家にいるらしい。
「誰かがお世話しなきゃ」
Kちゃんは言う。

ヒデ(未来のマスオ)は、
背が高いイケメンで、まじめな名鉄バスのドライバーです。
「完璧じゃん、言うことない!」
でもヒデは無口で根暗という社交性ゼロの人間で、
これまで僕を通して知り合った女の子1人しか付き合ったことがない。
「女心は分からんよ」僕は言う。

「うーん。でも、大丈夫。
だって次男で、西尾在住で、マスオさんオッケーなんだもん!」
ヒデは二十歳ぐらいのとき駅前で勧誘された新興宗教に入団して、
滝に打たれる本気の修行をして、
80万円の丸い石を買うという超無垢なスットコドッコイな男です。

「うーん・・・・」Kちゃんは言葉に詰まる。
「その後宗教は辞めたけど、
また駅前で声をかけられてNOVAをやりはじめたよ。
駅前に弱いんだよね、ヒデは」
「うーん、うーん」とKちゃんは言葉に詰まる。

「今の目標は、ホノルルマラソンで走ることだって」
「え?うそ?お姉ちゃんもホノルルで走りたいって言ってた!
それに次男で、西尾で、マスオさんオッケーなら・・・・。
やっぱり完璧!」

当人たちがいない話しは、盛り上がります。
「じゃじゃ、それじゃいっしんくん、
私の親戚に40歳を過ぎた人がいるんだけど、
その人に良い彼って誰かいないかな?」
Kちゃんみたいな子が一人いる家族は繁栄しそうです。

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