2013年5月21日火曜日

物足りないタマネギ農家と柔軟なポルノ女優

恋人に選ぶとするならどっちが理想か?
物足りない人か、
キャパシティーオーバーの人か。

その二択は間違いかもしれない。
相手のことを自分に物足りない人だと思うか、
想像を超える人で自分はついていけないと思うかは、
主観的な問題だから。
もし物足りない人だと思うなら自分の自惚れだし、
もし想像を越える人だと思うなら
自分の頑固さにしがみついている証拠じゃないか。

主観的にポジティブに受け止めることができれば、
どんな相手でも自分には知らない部分が隠されている、
それを発見できれば喜びになる。
もし自分とは違う価値観を持っている人でも、
自分のゆずれないものから解放されていれば、
相手をそんなに選ぶことはない。
羽毛布団の中身がダウンでもフェザーでも、
そんなことは関係なく、
軽い布団にくるまれば快適に眠れるみたいに。

と、そういうふうに考えてました。
でも、
相手がいてはじめて生まれる恋心だから、
主観的な問題だけじゃ解決できないかもしれない。
ウディ・アレンの『誘惑のアフロディーテ』見て、
そうも思いました。

元ポルノ女優のリンダと、
野心のないボクサーのケヴィンが出会うエピソードがあります。
二人は出会ってすぐお互いの外見に好印象を持って
付き合いはじめる。

リンダは実家のタマネギ農家のことばかり考えてる彼のことを
野暮ったい男だと思ってました。
でもリンダはそういうケヴィンの野暮ったさもかわいく見えてくる。
女優になりたいと思って街に出てきたリンダは、
ポルノ女優にスカウトされてそれもスターへの回り道だと捉える
かなりオープンな性格の持ち主です。

リンダと出会ったとき、
ケヴィンは付き合っていた女にフラれて傷心中でした。
「もう都会の女は嫌だ、
大地を愛せる嫁と一緒に実家のたまねぎ畑を耕すのが理想だ」
というのが口癖です。

物足りなさとキャパシティーオーバーさが絡み合って、
絶対にうまくいかなさそうな関係です。
案の定、うまくいきませんでした。
リンダがポルノ女優をやっていたことが発覚して、
ケヴィンがキレました。

リンダにはタマネギ農家は物足りなかった。
ケヴィンには元ポルノ女優という過去が受け入れられなかった。

話をまとめるとこういうことになります。
「価値観はあるていど似てる方が付き合いやすくて、
布団は羽毛布団がいい」

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