2012年4月16日月曜日

ヘビ屋(番外編)

「マムシ、試した?」という質問がありました。
あれだけヘビ屋のことを書いたのに、
自分がどうしたかは書いていなかったです。
というより、何も書くことがありませんでした、恥ずかしながら。
「ぼくはマムシを使わなかった」ので。

インタビューは体当たりで、
相手と対等に立つために、
やれることはできるかぎりやって、
質問する前に、知ることができることは調べておく。
それはインタビュアーとしては最低限の準備でしょう。

しかしぼくはマムシを使わなかった。
「怖がってやがるな」と思いの方、
ずばりその通りなんです。
ぼくはできるかぎり「知ることができることは調べておく」ことを実践して、
経験者から直の聞き取りをしました。

その経験者とはオーシャンのタカシとヤーマンです。
タカシは知り合いからマムシの焼酎漬けをもらって。
みんなで飲んでみよっかー、という話しをしていました。
翌日の朝お店に行くと、
タカシとヤーマンはこれから葬式みたいな顔をして言いました。
「死ぬかと思った」

彼らは昨夜二人でマムシ焼酎を試してみたところ、
1口ていどしか飲んでいないにもかかわらず、
とたんに心臓の動悸が高まると、
からだ中が燃えるように熱くなって恐怖感があった、
と二人揃って言っています。

二人とも酒はふだんから飲んでいる。
しかしこのマムシ焼酎が食道を煮えたぎるように通ると、
アルコールとはちがうものがからだに影響して、
数時間のあいだ恐怖感を共にしたらしい。

<酒だけじゃ起こらない反応、未体験ZONE
隠されたパワーをからだに流す太古のSONG>

そういうことを丁度ぼくは聞いていたので、
黒焼きなんか食ったらえらいことになるぞ、
と思っていたのです。
しかしハイデガーはこう言っています。

「この『死へ臨む不安』を『死亡の怖れ』と混同してはならない」

終末に挑む人はどんなことにも開かれているけど、
終末を見ようとしない人の心は閉じられている。
そうだ!ぼくはなんだって受け入れるぞ。

黒焼き、また食べたら報告します。
・・・・黒焼きか。
はじめは粉末にしとこっかな。ぶつぶつ。