2013年3月13日水曜日

老舗の体験

友達が下呂の[湯之島館]で仲居をしているということで、
その姿を見に行く名目で行ってきたんですけど良い旅館でした。
少し前に[富士屋ホテル]に行ったことを書きましたけど、
そういうクラシックホテルと同じ雰囲気がある。
建物が生きてる。

昔から使われているものがそのまま使われてる。
便利であるとか、
デザインがいいからとかを越えて、
長く使われてる古い物は空気に溶け込んでいて、
それが建物に生きてる感を帯びさせていることだと思う。

古くてカッコいい物はよく
新しい店で使われてたりする。
アンティーク調というのがあるけど、
それはそれで雰囲気が作れるから役に立つ。
オーシャンにもアンティーク調のインテリアや、
わざと古びた木の材料を使ってる。

そういうアンティーク調の物は、
だいたいがまだその建物に馴染んでいるようには見えない。
「浮いている」までいかないにしても、
その場に長い間あって使われてきた物ではないことが一目でバレる。

老舗の、目で見える範囲のいちばんの魅力は、
古いものがそのままキレイに使われていることだと思う。
すべてが新型の空調機具ではなくて、
何十年か前のオイルヒーターが、
図体がでかく場所を取って燃費も悪そうに置かれてる。
でもそれが手入れをされて活かされてるのを見ると、
なぜか安心感が湧いてくる。

車だって新型の方が燃費も良いし、
乗り心地もきっと良いだろうに、
[湯之島館]の送迎バスは年季が入ってる。
だからといって古さを感じさせないで、
この場所にしかない物になってる。

出会ったものがこの場所にしかないと思うと、
この旅の体験自体が、
「今この場所のことは自分だけが体験してる」
というような特別な体験になる。

この旅館の売店で「げろぐるラーメン」というのが売っていて
どんな味なのか気になりましたけど買いませんでした。
それから「しらさぎ物語」のサンドアイスクリームを
一緒に行った人たちが食べてましたけど、
あの固めのサクサク感はないそうです。

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