2013年3月21日木曜日

被害者面をした加害者

この世の中には被害者面をした加害者が
たくさんいると、
宮本さんが言ってました。
「鼻毛を出しているやつは加害者だ!」

確かに、鼻毛が出ているヤツに注意をするのは、
極めて神経を使う。
男が男に言うのも、
女が女に言うのも、
極めてナイーブである。

僕は二十歳も過ぎてから、
同級生のコウジミソという男に注意したことがある。
「ちょっとちょっと、鼻毛出てるよ」
コウジミソはむっとした。

いやいや、こっちは気を使って言ったんだし、
感謝してくれなきゃおかしいじゃないか、と僕は思う。
でも指摘されてちょっとむっとする。
分からないでもない、自分でもむっとするかもしれない。

なぜ鼻毛が出てることを指摘されると人はむっとするのか。
鼻毛が伸びるのはホルモン作用であって、
自然のありのままの姿で何が悪い、
という論理になるのだ。

だから鼻毛を指摘する側は自分が悪いことをしたと、
ちょっと気落ちする。
「鼻毛を認めないおれって、心が狭いのかな・・・」と。
しかしそれは絶対ちがう!

鼻毛が出ている人は、
むっとしたり開き直ったりすることによって、
指摘した側を加害者に転換してるが、
それは間違いです。

鼻毛出しサイドは指摘サイドに、
間違った論理を抱いている点で加害者です。
「スピード出し過ぎですよ」と運転手に注意してるのに、
「体感速度は性差によるものだからおれは間違ってない」
と法廷速度を無視して暴走を続ける。
これは被害者面をした加害者の構図です。

「鼻毛出し過ぎですよ」と注意をして、
「ホルモンバランスで体毛は伸びるのであっておれは悪くない」
これも被害者面をした加害者の構図である、ということです。

イシューは「自然体であることは正しいことばかりじゃない」
という点にあります。
もちろん鼻毛出しサイドの中には、
「おれは機能面でフィルターの役割を果たす鼻毛を意図的に蓄えているのだ」
という人もいるでしょう。
とりあえずそういう人は今回のところ論点から外します。

『バカボンド』で宮本武蔵(宮本たかしじゃない)
が目指す境地は自然体ですけど、
柳生新陰流でも○○流でも強者は修行した後に自然体に到達している。
〈鼻毛出し〉にももしかしたら流儀があれば納得できるかもしれない。
いや、できないか。

だいたいこうやってブログを書いているだけでも、
鼻毛を出している人がむっとしている気がしてならない。
やっぱり鼻毛出しは加害者にちがいない。

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