2013年3月16日土曜日

ヤマカン

昨日は〈普通ではないことが日常になった人〉のことを書きました。
自分が当たり前だと思っていたことが、
実は異常だったことを知ると、
良い悪いは別だとしても世界が変わる出来事になる。

僕の弟は高校生になるまで
自分の眼が悪いことに気づかなかった。
小中学校の身体検査はどうしてんだと聞いたら
「ボヤけてたから眼を細めて、勘でけっこう当たった」
と言っていた。

でも高校生のときアメリカに行って身体検査を受けたとき、
とうとう今までヤマカンだったことが発覚して、
慌ててメガネやコンタクトレンズを揃えることになった。

弟はバスケットボールをやってますけど、
コンタクトレンズを付けて最初に言った言葉はこうでした。
「ゴールが見える!」

それまでゴールは霞んでいるものだったので、
眼を細めて狙うのが当たり前だった。
これを聞いたとき「おまえはちょっとアホか?」
と言いたくなりましたけど、
彼にとってはそれが日常の世界で、
みんな一緒だと考えてたら不思議にも思わないかもしれない。

日常だと思っていた世界は毎日変わっている。
今日は京都で自転車を借りたら、
カゴのなかに靴下が片っぽ入っていました。
日常の僕ならこの靴下はほかるものです。
しかしほからずに
カゴの中に誰のか知らない靴下を片っぽ入れとくのも、
新しい世界かもしれない。

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